研究課題/領域番号 |
21K15181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 知成 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50827087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 視覚経路 / 経路発達 / 高次視覚野 / 視床核 / 網膜自発活動 / マウス / 発達 / マウス視覚野 / 階層的ネットワーク発達 / 結合形成発達 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜に入力した視覚情報は多数の視覚野によって構成される多層の階層的なネットワークによって処理される。視覚領野は霊長類で30、齧歯類でも10領野以上存在するが、発達期においてこれらの皮質領野がどのような順で結合し、階層的ネットワークが形成されるか明らかとなっていない。本研究は発達期のマウス視覚野において、申請者が新たに開発した視覚野の自発活動パターンから各視覚領野の位置を正確に同定できる手法を用いて、神経投射をラベルするニューロトレーサーにより視覚領野間の結合戦略が階層構造に沿って形成されるか、それとも網膜から皮質までの経路が独立に形成されるのかを解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
哺乳類の脳は、階層的かつ並列的な神経ネットワークにより、高度な感覚処理を実現しています。発達期に複雑な視覚ネットワークが形成されるのですが、網膜から一次視覚野に至る視覚経路の発達過程はよく研究されている一方、高次視覚野を含むネットワーク全体の配線がいつ形成されるかは、まだほとんどわかっていませんでした。 本研究では、複数の発達段階における自発神経活動の広視野Ca2+イメージングと解剖学的ニューロトレースを用いて、階層的視覚ネットワークがどのように発達していくのかを解明しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は将来的に先天性盲などの疾患治療の分野への応用が期待される。先天盲や早期失明の患者では、点字解読により視覚野が活動することが報告されているが、その解剖学的基盤については、ほとんど知られていない。このような早期失明による大脳皮質の領野間結合の可塑的変化を調べることは、これらの病態を理解する上で重要と考えられる。 また本研究の結果は、並列情報処理を担う回路が、従来知られていなかった網膜から皮質までの回路を伝播する活動を教師信号として形成されることを示したものであり、この原理を人工知能に応用し、並列情報処理も取り入れることにより、汎用的な人工知能の開発に役立つ可能性が考えられる。
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