研究課題/領域番号 |
21K15193
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
山本 真理子 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特任研究員 (70898824)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 抑制性神経細胞 / 錐体細胞 / 大脳皮質 / 発達 / 神経結合 / 抑制性細胞 / 一次視覚野 / 興奮性細胞 / 大脳皮質視覚野 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質では生後発達に伴い神経回路が編成され、感覚情報の処理機能を獲得するが、そのメカニズムの理解は十分でない。本研究では大脳皮質の抑制性細胞の一種であるパルブアルブミン陽性のFast-spiking細胞と錐体細胞間の神経結合に着目し、その発達過程を電気生理学的解析により明らかにする。また両者間の結合を発達過程で操作し変化させた際、感覚情報処理機能にどのように影響するかを調べることで、これらの神経結合が発達過程で獲得する特徴や機能を見出すことを目指す。
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研究成果の概要 |
大脳皮質のパルブアルブミン陽性Fast-spiking抑制性細胞(PV-FS細胞)は周囲の多くの錐体細胞と相互に神経結合を形成することが知られる。本研究ではPV-FS細胞―錐体細胞間の相互結合の発達について、同時ホールセル記録法により解析した。その結果、視覚経験や正常な視覚応答がPV-FS細胞―錐体細胞間の結合強度の均衡に必要であることを明らかにした。また、PV-FS細胞―錐体細胞間の結合強度の均衡に対するNMDA受容体の関与を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PV-FS細胞―錐体細胞間では相互に結合する細胞同士が共通入力を受けることが知られ、これらの相互結合は大脳皮質の情報処理機能において重要な構成単位であることが考えられる。本研究では、この相互結合が互いに結合強度の均衡を保持していること、その均衡には感覚経験や正常な神経活動やNMDA受容体の関与が必要であることを明らかにした。これらの結果は、PV-FS細胞―錐体細胞間神経回路の機能成熟には結合均衡の形成や保持が重要であるという視点を新たにもたらすものである。抑制性神経結合の機能は、自閉症や統合失調症などの精神神経疾患への関連が示唆されており、これらの疾患メカニズムの理解にも貢献する可能性がある。
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