研究課題/領域番号 |
21K15195
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
清水 勇気 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (30778064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経新生 / 血管新生 / 瘢痕形成 / 比較トランスクリプトーム / 神経再生 / 血管再生 / 比較トランスクリプトーム解析 / ゼブラフィッシュ / メダカ / 遺伝子発現比較 / ラジアルグリア / 神経幹細胞 / 遺伝子発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
イモリやプラナリアなどは哺乳類と比較して高い再生能力を持つことが知られている。では、再生能力や神経幹細胞の増殖・分化能はなぜ、生物種によって大きな違いが存在するのか。この問いを明らかにすることが、神経再生を促す方法の発見に繋がると考える。これまでに魚類-哺乳類間の比較解析を行なってきたが、再生能の異なるゼブラフィッシュ-メダカ間での新たな比較解析により再生を促す候補遺伝子を探索し、小型魚類脳損傷モデルやヒト神経幹細胞を用いて遺伝子の働きを明らかにすることで、生物種間での神経再生能の相違に関わる分子機構の解明や神経再生を促す分子機構の発見が期待される。
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研究成果の概要 |
再生能力の異なるゼブラフィッシュとメダカ間での遺伝子発現解析により、ゼブラフィッシュが有する高い再生能力を制御する分子機構の解明および再生促進因子の探索を試みた。パスウェイ解析により、ゼブラフィッシュでは免疫応答やJak-Stat経路が早期に活性化し、早く収束することが明らかになった。また、再生促進因子の探索では12の分泌因子を抽出し、5つが促進的な作用を持つ因子であったことから、比較解析によるアプローチが有用であることが示唆された。ヒト神経幹細胞を用いた解析により、機能解析を行った6つの因子のうち、2つの因子で増殖促進作用を有することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼブラフィッシュ-メダカを用いた比較系が中枢神経系の再生制御機構の解明や再生促進因子の探索に有用であることが示された。さらには、再生能力が低いメダカ個体やマウス個体、ヒト神経幹細胞の培養系を用いて、抽出された解析候補因子の機能解明を進めることで効率的に神経を促す因子の同定や哺乳類への応用が期待される。メダカは乏しい神経再生能や血管再生能を有し、損傷により瘢痕が形成されるなど哺乳類に近い損傷応答を示す唯一の報告がある小型魚類モデルある。再生能力が高いゼブラフィッシュと同じ損傷モデルが作成可能であり、網膜や脊髄の損傷モデルの比較解析などを通じて、神経再生を制御する分子機構の更なる解明が期待される。
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