研究課題/領域番号 |
21K15200
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 生理学研究所 (2021) |
研究代表者 |
孫 在隣 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40780333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 運動学習 / 大脳皮質運動野 / シナプス可塑性 / マウス / 神経回路 / スパイン可塑性 / シナプス長期増強 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
動物が運動学習を行う際、大脳皮質運動野ではシナプスの可塑的変化を伴う神経回路の再編成が行われる。この再編成はニューロンの樹状突起に存在するスパインの膨化や縮小といった形態変化を伴い、これら形態変化によってシナプス強度の調節が行われる。しかしながら、シナプス後構造であるスパインの形態変化のみでは、学習に伴ってどの神経回路のシナプス結合が強化されるのか等については弁別することができない。そこで、そのシナプス前終末を網羅的に同定することで、神経回路を区別してシナプス可塑性を評価する。これにより、運動学習の成立に必要な神経回路を明らかにする。
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研究実績の概要 |
動物は学習により外的環境に適応する。その過程における脳内変化は、神経回路の再構築として現れ、可塑的なシナプスの結合変化がそれを可能にしていると考えられている。本研究課題では、運動学習中の大脳皮質運動野におけるシナプス可塑性を観察し、神経回路がどのように結合変化をみせるのかについて、網羅的解析を行っている。 大脳皮質錐体細胞には、シナプス後構造として、樹状突起上にスパインと呼ばれる突起が存在する。このスパインが新生することは、新たな神経回路が形成されたことを示す形態変化である。運動学習中には運動野においてスパイン新生が頻繁に観察されるが、この新生されたスパインに結合するシナプス前軸索の由来については不明であった。本研究では、運動学習中の運動野におけるスパイン動態を2光子顕微鏡により生体観察し、さらにその脳組織標本を用いて、免疫組織化学や電子顕微鏡観察を経ることにより、新生スパインへの入力元の同定に成功した。それにより、学習中に出現するスパインには皮質錐体細胞由来の軸索が、学習した技能を維持する際には皮質下(視床)からの軸索終末がシナプスを形成することが判明した(Sohn et al., Science Advances, 2022)。すなわち、シナプス前細胞の由来によって、シナプス後構造の動態が特徴的な時間的変化をみせることが示唆された。これは、これまで学習の延長として捉えられてきた記憶のメカニズムが、実は異なる神経回路が担当していることを示す所見であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回のシナプス結合再編の所見については、論文発表することができた。 引き続き、神経回路ごとのシナプス可塑性ルールについて、追求を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、同様の手法を用いて、シナプスの長期増強・抑圧といった形態変化と、神経回路の関係について実験を行なっていく。また、電子顕微鏡を用いた局所の形態について、シナプス可塑性観察とを組み合わせた光学・電子顕微鏡観察を進め、シナプス可塑性をもたらす構造的機序について明らかにしていく方針である。
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