研究課題/領域番号 |
21K15204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
宮本 大祐 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50748697)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 睡眠 / 記憶 / 神経細胞 / シナプス / イメージング / 光遺伝学 / マウス / 受容体 / 学習・記憶 / 睡眠・覚醒 / 神経活動 / シナプス可塑性 / オプトジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
記憶を担う海馬等の脳領域は、学習時に活性化した神経細胞亜集団を記憶痕跡として割り当てる。限られた神経細胞数の活用には、記憶の取捨選択即ちスマートフォゲッティングが必要となる。本研究はスマートフォゲッティングの神経細胞・シナプス機構を解明するために、最新のin vivoオール光学式電気生理学を生体マウスに適用し、睡眠/覚醒サイクルにおける記憶痕跡細胞の活動やシナプス可塑性を長期的に計測する。さらに、記憶痕跡細胞の活動やシナプス可塑性を操作して、因果的にスマートフォゲッティングへの役割を解明する。
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研究成果の概要 |
睡眠はシナプスを再編して、記憶の定着と忘却の両方に作用する。従来の研究はシナプスを平均評価しており、記憶を担うシナプスの睡眠時動態は不明であった。そこで、本研究は生体マウスの大脳皮質において、個々のスパインを経時蛍光イメージングした。学習時にAMPA受容体量の増加したスパインは学習後の睡眠の影響を受けないのに対して、その他のスパインは睡眠時にAMPA受容体量が減少した。学習後の睡眠は、記憶容量を回復させるスマートフォゲッティングに寄与すると示唆される。また、学習と睡眠を通じて神経活動を長期計測するため、自由行動下及び頭部固定下における単一神経細胞の解像度のイメージング系を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成体脳の神経細胞数は殆ど増加しないため、脳は記憶容量を節約しながら学習する必要がある。そこで、本研究は生きたマウスの脳を顕微鏡観察して、記憶を担う個々のシナプスの強度を経時的に定量した。睡眠は学習により増強したシナプスを保護しながら、その他のシナプスを弱めることが分かった。睡眠は直前の学習情報を保ちながら、シナプスをクールダウンさせて記憶容量を回復させる役割があると考えられる。
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