研究課題/領域番号 |
21K15206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊澤 俊太郎 北海道大学, 獣医学研究院, 特別研究員(PD) (30897632)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 視床下部 / 抗肥満 / 代謝 / MCH / MCH神経 / エネルギー消費 |
研究開始時の研究の概要 |
メラニン凝集ホルモン(MCH)は19アミノ酸残基の環状ペプチドで、MCHを産生する細胞は視床下部外側野に局在する。MCHペプチドの脳室内投与が摂食量やエネルギー代謝を変化させることは2000年代から報告されているが、そのメカニズムはよく分かっていない。製薬ターゲットとしても着目され、臨床研究でもMCH受容体アンタゴニストが抗肥満効果を持つことが報告されているが、脳内の広範な領域への影響に伴う副作用から薬としての実現には至っていない。 本研究ではMCH神経が脳内のどの領域に投射し、さらに下流のいかなる末梢組織に影響するすることでエネルギー代謝を調節してるのか、解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は視床下部外側野に局在するメラニン凝集ホルモン産生神経(MCH神経)が延髄縫線核の交感神経プレモーターニューロンに抑制性の入力を送り、褐色脂肪組織を支配する交感神経活動を抑制することでエネルギー消費の節約に働くことを明らかにした。 本研究成果は2022年2月のThe Journal of Physiology誌に掲載され(J Physiol. 2022 Feb;600(4):815-827.)、日本自律神経学会および日本神経内分泌学会で当該研究内容を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MCH受容体アンタゴニストは抗肥満薬としての可能性が複数の製薬会社から検証され、臨床試験においても効果が確認されている。しかし、抗肥満を誘導する神経メカニズムは不明で、また、悪夢や頻脈といった副作用から現在まで実用化には至っていない。本研究によりMCH神経がエネルギー消費節約に機能する神経回路が明らかになったことで、延髄縫線核をターゲットとし代謝に焦点を定めたMCHブロッカーの道が開ける可能性がある。
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