研究課題/領域番号 |
21K15216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大澤 宏祐 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20774417)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全合成 / 天然物 / 環状ペプチド / チオペプチド / (2-アミノビニル)-3-メチルシステイン / 光反応 / 酸化的脱炭酸 / アミノビニルシステイン / ペプチド天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
中分子ペプチド天然物「ネオチオビリダミド」は、リボソーム上で合成された前駆体ペプチドが翻訳後修飾を受けて産生される。本研究では、酸性条件に極めて不安定な(Z)-2-アミノビニル-3-メチルシステイン構造の合成終盤での構築を鍵として、α位が容易にエピメリ化するチオペプチドやβ位に水酸基をもつイオン性特殊アミノ酸等を構成要素にもつネオチオビリダミドの世界初の全合成を達成する。また、立体異性体のコンビナトリアル合成を行い、天然物の相対および絶対配置を決定する。さらに、確立した合成経路を基に、推定される生合成中間体を合成し、翻訳後修飾の順序や詳細な機構を解明する。
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研究成果の概要 |
リボソーム上で合成された前駆体ペプチドが翻訳後修飾を受けて産生される中分子ペプチド性天然物ネオチオビリダミドの全合成について検討した。天然物中の水酸基を1つ除いたデオキシ体をモデル基質に設定し、光反応による低温条件下での酸化的脱炭酸および生じたラジカル種のセレノエーテルによる捕捉を見出すことで、環状ペプチド骨格内に含まれる(2-アミノビニル)-3-メチルシステイン構造の合成終盤での構築に初めて成功した。別途合成した鎖状チオペプチドフラグメントを活性チオノエステルとすることで、中性条件下で環状ペプチド部と収束的に連結し、デオキシ体の初の全合成を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光反応を用いた低温条件下での(2-アミノビニル)-3-メチルシステイン構造の構築法を開発し、アミノビニルシステイン構造を有する環状ペプチド天然物の初の全合成を達成した。従来法のような高温条件や酸化剤を必要としないため官能基共存性が高く、合成終盤の複雑な基質に対しても適用可能なことから、他の生物活性ペプチド天然物への展開も期待できる。
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