研究課題/領域番号 |
21K15218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長澤 翔太 東北大学, 薬学研究科, 助教 (50846425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 生物学的等価体 / かご型炭化水素 / C-H官能基化 / キュバン / 複素環化学 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンゼン環単位の生物学的等価体として知られる多環式炭化水素:キュバンについて, その医薬化学的応用可能性を開拓する基盤技術として「遷移金属触媒的キュバン C-H 結合官能基化手法」を確立する. 申請者が見出した萌芽的成果をベースに,その自在な官能基化を可能にする.開発した方法論をもって,未踏ケミカルスペースである「多置換キュバン化合物,キュバン縮環型(複素環)化合物」へのアクセスを目指す. これら化合物の基礎的な物性・反応性を精査するとともに,より高次の生物学的等価体としてのキュバンの適用可能性を開拓し,低分子創薬の分子デザインに新たな指針を与え得 る分子化学的基盤を切り開く.
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研究成果の概要 |
ベンゼン環の生物学的等価体として知られる立方体型炭化水素キュバンについて,そのC-H結合を遷移金属触媒的に官能基化するための方法論の開発を行った.開発した手法を用いて医薬品に頻出する芳香族構造単位のキュバンアナログの合成ならびに反応性評価を行い,新たな生物学的等価体への適用可能性について調査した.得られた成果を以下に示す. 1.パラジウム触媒を用いるキュバンC-Hアセトキシ化反応を開発した.開発した手法を用いてアセチルサリチル酸ならびにジヒドロクマリンのキュバンアナログを合成できることを示した. 2.ラジカル的キュバンC-Hアルキル化反応を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ベンゼン環の生物学的等価体としてその医薬化学的応用可能性が期待されている立方体型炭化水素キュバンは,その特異な構造に由来して自在な官能基化が困難であり,当該研究の進展が妨げられていた. 本研究では,これまでのキュバンの官能基化の方法論とは異なる遷移金属触媒的C-H結合が適用可能であることを初めて示した.また,開発した手法を用いて医薬品に頻出する芳香族構造単位への誘導を達成することで,その生物学的等価体としての活用可能性を検討する端緒を開いた. 本研究成果は,低分子医薬品の分子デザインを行う上での新たな指針を科学者に提供するものである.これは医薬化学の発展に直接的に寄与する.
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