研究課題/領域番号 |
21K15231
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松薗 構佑 自治医科大学, 医学部, 講師 (80809070)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 神経難病 / プリオン / iPS細胞 / ドラッグリポジショニング / 酸化ストレス / 稀少疾患 / フリーラジカル / 創薬 / 遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
稀少神経難病PSDDの患者からiPS細胞を樹立する。PSDD患者由来のiPS細胞から神経細胞と神経堤細胞をそれぞれ分化させて、モデルとして使用するにより、PSDDの病態を再現、病態について検討する。 そして、PSDD患者由来のiPS細胞モデルから、既存薬Xの効果について検討し、既存薬Xが病態の進行抑制に有効である可能性が示された場合、適切な指針と承認に基づいた上で同薬を実際のY162X患者に投与する。実際のY162X患者に対する既存薬Xの効果については、既存薬Xを投与する前と後で、各評価項目を用いて検証する。
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研究成果の概要 |
PRNPY162X患者からiPS細胞の作製、神経細胞への分化を行った。酸化ストレスに対して、患者群では神経細胞生存率が減少していた。また、患者群では健常群に比べ、50%以上プリオン蛋白の転写が低下していた。以上から、正常なプリオン蛋白が神経細胞に強く発現しているのは酸化ストレスに対する耐性獲得のためとても重要であることが示された。 エダラボンとリコンビナントのプリオン蛋白をそれぞれiPS細胞神経に加えると、脆弱だった過酸化水素に対する耐性改善を認めた。そのため、我々は現実のPRNP Y162X患者に対して、エダラボンの投与を行ったところ、投与前に比べ悪化遅延または改善効果を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プリオン遺伝子患者からiPS細胞を樹立して行った研究は世界でも稀少である。本研究ではプリオン病の中でも稀少なY162X変異例からiPS細胞の樹立に成功したが、その結果正常なプリオン蛋白が神経細胞にとって酸化ストレス耐性を獲得する上で重要な機能を果たしていることが明らかとなった。実際の患者に対して、研究の結果同定したエダラボンの投与を行ったところ、延命と症状改善効果が得られており、社会に与えるインパクトが大きい研究である。
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