研究課題/領域番号 |
21K15232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
池田 朱里 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (40825056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ポリエン / エフロトマイシン / 鎖状天然物 / 全合成 / 収束的 / C.difficile / 3置換オレフィン / Clostridioides difficile / 抗菌活性 / 有機合成化学 / ポリエン鎖状骨格 / 天然物 / 抗嫌気性菌活性 |
研究開始時の研究の概要 |
偏性嫌気性菌C.difficileは、重篤度の高い偽膜性大腸炎を引き起こすが、その治療薬は不十分であり、新規治療薬の開発が望まれている。そのような背景のもと、大村智記念研究所にて、天然物エフロトマイシンがC.difficileに対して選択的かつ強力な抗菌活性を示すことが見出された。申請者は、エフロトマイシンの新規抗C.difficile薬のリード化合物としての可能性に注目し、エフロトマイシンの収束的な全合成経路の確立を目指すこととした。本研究の達成により、エフロトマイシン類縁体の構築だけでなく、非天然型誘導体の創出も可能となり、C.difficileに対する創薬研究に貢献できると期待する。
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研究成果の概要 |
偏性嫌気性菌Clostridioides difficileは、重篤度の高い偽膜性大腸炎を誘発するが、有効な治療薬が少ないことが問題であった。一方、C.difficileに対して選択的かつ強力な抗菌活性を示す天然物エフロトマイシンが見出されたことから、エフロトマイシンをリード化合物とした創薬研究の展開を見越し、非天然型を含む多様な誘導体合成を可能にする全合成経路の確立を目指した。種々検討の結果、4つに分割したフラグメントのうち3つのフラグメントの構築を達成した。さらに、3つのフラグメントを連結することで、エフロトマイシンの非糖鎖含有天然物であるオウロドックスの合成を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エフロトマイシンの合成はすでに1例報告されているが、その全合成経路は直線的であり、創薬研究にて必要な多様な誘導体検討には適さない。この課題を解決すべく本研究では、エフロトマイシンを特徴的な構造ごとに4つのフラグメントに分割し、収束的な合成経路を確立することで幅広い誘導体の創製を目指した。本研究の成果は、エフロトマイシンをリード化合物とした新規抗C.difficile治療薬の創薬研究に対し、社会的意義の高い貢献が可能である。また本研究では、2つのフラグメントに共通する3置換オレフィンの効率的な構築法を確立しており、他のポリエン鎖状骨格を有する天然物合成にも活用できることから、学術的な意義も高い。
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