研究課題/領域番号 |
21K15240
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
松岡 悠太 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20783509)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脂質過酸化反応 / 酸化リン脂質 / 質量分析 / 肝疾患 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / アセトアミノフェン / LC/MS / リピドミクス |
研究開始時の研究の概要 |
生体膜リン脂質は、活性酸素種などにより容易に酸化され、多種多様な「酸化リン脂質」を生成する。これらは、細胞死や炎症反応など様々な疾患発症イベントにおいて、重要な役割を担う。一方で、これまでに生体内で観測された酸化リン脂質は、数少ない。この要因として、酸化リン脂質の構造情報およびデータベースが不足していることが考えられる。一方、高分解能質量分析計を用いたノンターゲット分析は、構造未知の化合物に対し、定性・定量評価を行う、探索性に優れた分析手法である。そこで本研究では、酸化リン脂質に対してノンターゲット分析を実施し、そのデータベースの拡大および包括的解析技術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究にて我々は、LC/HRMS/MSシステムを用いたノンターゲット分析を活用し、未知の酸化脂質探索へと応用するこで、酸化脂質構造情報を含むライブラリーの構築に成功した。これらを応用し、APAP誘発肝障害やNASHモデルマウス肝組織中にて生じる酸化脂質の包括的解析および質量分析イメージングに成功した。その結果、疾患発症時期において、特定の酸化脂質 (APAP:PC PUFA;O2、NASH:酸化トリグリセリド)が特に顕著に生成することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化脂質は疾患発症イベントを制御する重要分子として認識されてきた一方、これまでに同定された生理活性酸化脂質の数は極めて少ないのが現状である。この要因として、酸化脂質の分析手法が大きく制限されていることが挙げられる。そこで今後、本研究にて開発した分析技術を応用することで、新たな生理活性脂質の発見や酸化ストレス性疾患の発症機序解明、バイオマーカー探索が期待される。
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