研究課題/領域番号 |
21K15242
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
城田 起郎 新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (20714900)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | MALDI / 脱溶媒和 / マトリックスクラスター / 質量分析 / 波長可変レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
マトリックス支援レーザー脱離イオン化 (MALDI) 法は、生体試料等のソフトイオン化手法として汎用されているが、MALDI結晶からレーザー脱離したプルーム内分子種のうち99%以上が中性のまま検出されていない.この原因としては、プルーム内のマトリックスクラスター(Mn)内部に存在するイオンが脱溶媒和する前に近傍の対イオンと再結合し中性化すること等が挙げられる.本研究では、Mn内部に存在するイオンの脱溶媒和に最適な波長のレーザー光をMnへ照射し脱溶媒和を促進させると共に、Mn内部で中性化した試料等を真空紫外光照射でソフトイオン化することで、従来のMALDI法を超える試料検出感度の向上を目指す.
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研究実績の概要 |
今年度は、前年度に構築したMALDI-IR-MS装置に独自に製作した真空紫外(VUV)光発生用チェンバーを設置し、MALDI-IR-VUV-MS装置を完成させた。しかしながら、この装置を稼働させるためには、3台のNd:YAGレーザー光が必要となるが、このうち、VUV光を発生させるために用いる予定であった1台のNd:YAGレーザーが故障の為稼働が出来ず、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた測定ができない状況が続いた。一時、故障の原因の一部が判明し復旧のめどが立ったと思われたが、結果としては、Nd:YAGレーザーの共振器からの出力は回復したが、増幅器を用いた出力が回復できなかった。Nd:YAGレーザーの共振器のみでレーザー光を発振することも可能であるが、VUV光を発生させるほどの出力ではない為、このレーザーを用いて、VUV光発生用チェンバーからVUV光を発生させることは現状では困難である。そして、現在もあらゆる対策を検討しているが増幅器自体を復旧できる見込みが低い状況である。この為、研究計画の進行が大幅に遅れ、研究実施期間の延長を申請するに至った。しかしながら、VUV光発生用の故障中のレーザーの共振器の出力は、MALDIレーザー用として用いるのであれば、必要な出力が確保できる為、次年度は、今年度共振器の出力のみ復旧したレーザーをMALDIレーザー用として用い、当初計画ではMALDIレーザーとして用いる予定であったNd:YAGレーザーをVUV光発生用レーザーとして用いることができるか、独自製作した既設のVUV光検出器を用いて確認する等の検討を行い、MALDI-IR-VUV-MSによる実験スキームを再構築することで、この実験スキームを用いた測定を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度、MALDI-IR-VUV-MS装置自体は設置できたが、この装置を使用する為に必要な3台のレーザーのうち1つのレーザーの出力が完全に回復せず、結果として、研究計画の進行が大幅に遅れ、結果として、研究実施期間の延長を申請するに至った為、総合的に判断し「遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、以下の計画で研究を遂行する予定である。 (1)MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームの再構築 MALDI-IR-VUV-MS装置に、独自製作した既設のVUV光検出器を設置した上で、当初計画では、MALDIレーザーとして用いる予定であったNd:YAGレーザー光をVUV光発生用チェンバーに入射しすることで、VUV光発生の最適条件を確定する。その後、増幅器が故障中のNd:YAGレーザーの共振器の出力だけを用い、MALDIイオン化の最適条件を確定する。さらに、これらの条件が確定次第、MALDI-IR-VUV-MS装置からVUV光検出器を取り外し、IRレーザーの入射経路を確保した上で、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームを再構築する。そして、この実験スキームを用いて、試料のマトリックスクラスター(Mn)からの脱溶媒和を促進し、脱溶媒和した中性試料を真空紫外光による一光子イオン化を用いて検出することを試みる。 (2)MALDI-IR-VUV-MS法を用いたマトリックスクラスター(Mn)内部から脱溶媒和した中性試料のイオン化検出 MALDI-IR-VUV-MS装置を用いて、VUVレーザー光照射による試料由来イオン信号が最も強くなるよう、MALDIレーザー、IRレーザー、VUVレーザー間の遅延時間を最適化し、通常のMALDIイオンとして検出されるプロトン化試料と、VUVレーザー光照射により検出された試料由来イオン信号を比較し、MALDI法とMALDI-IR-VUV-MS法の試料検出感度を比較し検証する。なお、MALDI-IR-VUV-MS法を用いても、Mnからの試料の脱溶媒和を確認できる実験結果が得られなかった場合は、IRレーザー光として再生増幅近赤外フェムト秒レーザー光を用いること等も検討する。
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