研究課題/領域番号 |
21K15251
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鍛代 悠一 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90756165)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DAMPs / PROTAC / がん免疫 / PD-1 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究から申請者は抗がん剤であるトポテカンがSTING依存的ながん免疫を活性化させる内在性分子(DAMPs)のがん細胞からの放出を誘導することを明らかにし、その後の解析からこのDAMPsの放出はトポテカンの既知の標的であるTOP1には依存せず、新規標的であるリボソームタンパクRPLXを阻害することで誘導されることが判明した。そのためRPLXを特異的に阻害する薬剤はがん免疫を活性化させることでがんの治療に貢献できる可能性がある。本研究ではPROTACによりRPLXを特異的に分解する薬剤の開発とそのがん免疫の活性化能を検証する。
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研究実績の概要 |
2021年度においては下記の3点についてin vitroにおける良好な結果が得られた。 (1) ポマリドマイドとトポテカンを結合させたPROTACの作製 (2) ポマリドマイド-トポテカン PROTACによるRPLXの分解誘導の検証 (3) ポマリドマイド-トポテカン PROTACによるがん細胞からのDAMPs産生の評価 これを踏まえて2022年度では作成したポマリドマイド-トポテカン PROTACがin vivoにおいてがん免疫の活性化を誘導し、抗PD-1抗体による抗腫瘍効果を増強するかをB16-F10メラノーマ担がんマウスモデルを用いて検証した。その結果、ポマリドマイド-トポテカン PROTAC の投与により、抗PD-1抗体に抵抗性であるB16-F10腫瘍が抗PD-1抗体に感受性になることが明らかとなった。さらにポマリドマイド-トポテカン PROTACを投与したマウスでは腫瘍中の制御性T細胞の割合が低下し、がん微小環境が変化していることも確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトCRBN発現B16-F10細胞の作成が予想よりも時間がかかってしまったことでin vivo実験の開始が遅れたこと、またin vivo実験に使用するSTING欠損マウスの繁殖が予定よりも遅れていることが大きな理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においてはマウス乳がん細胞であるE0771細胞の担がんマウスを用いて、ポマリドマイド-トポテカン PROTACが他のがん種においても抗PD-1抗体による抗腫瘍効果を増強するかを検証する。さらにSTING欠損マウスで同様の実験を行い、ポマリドマイド-トポテカン PROTACの効果がSTING経路に依存的であるかを検証する予定である。
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