研究課題/領域番号 |
21K15260
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 宮崎大学 (2022-2023) 徳島大学 (2021) |
研究代表者 |
山本 清威 宮崎大学, 医学部, 助教 (20866553)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 血管透過性 / Rap1 / VE-cadherin / ARDS |
研究開始時の研究の概要 |
血管内皮細胞は、生体恒常性を維持するために血管透過性を厳密に制御している。しかし、その制御機構の破綻は、血管透過性の過剰亢進をもたらし様々な疾患の病態を悪化させる。本研究では、申請者らが血管透過性制御の鍵分子であることを見出してきた低分子量Gタンパク質Rap1に焦点を当て、Rap1シグナルが正常組織の血管透過性を低い状態に保つ機構を明らかにする。さらに、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)において血管透過性が過剰に亢進し、その病態が悪化する分子メカニズムを解明する。以上の研究を通して、血管透過性を標的としたARDSの革新的治療薬開発に向けた分子基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
血管内皮特異的Rap1欠損 (Rap1iEC-KO)マウスの肺動脈を用いてホールマウント蛍光免疫染色を行った結果、Rap1がKOされたことにより内皮細胞における細胞間接着部に沿ったactin繊維の消失と、stress fiberの形成によるVE-cadherin接着の崩壊が認められた。加えて、LPS誘発性急性肺障害モデルマウスに対して007を投与したところ、LPS投与により亢進した肺における血管透過性が抑制された。以上により、Rap1による血管透過性制御機構はin vivoでも機能しており、Rap1シグナルを活性化することで炎症などによる血管透過性の過剰亢進を抑制できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Rap1による血管透過性制御機構はin vivoでも機能しており、その制御機構の破綻は血管透過性の過剰亢進により致死性の肺水腫を引き起こすが、Rap1シグナルを活性化することで炎症などによる血管透過性の過剰亢進を抑制できることが明らかとなった。今後、Rap1による血管透過性制御機構をさらに詳細に解析することで、血管透過性異常が関与する疾病の新規治療法の開発が期待できる。
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