研究課題/領域番号 |
21K15266
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
原 雄大 近畿大学, 薬学部, 講師 (20803779)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | グリオーマ / CCR4 / Th17細胞 / Th17 |
研究開始時の研究の概要 |
グリオーマは、未だ有効な治療法の確立されていない難治性の脳腫瘍である。ケモカイン受容体CCR4は、腫瘍免疫において抑制的に働く制御性T細胞(Treg)の主要な遊走制御因子であるが、一方で腫瘍免疫において促進的に働くTh17細胞にも発現する。グリオーマ患者の腫瘍組織内において、TregおよびTh17細胞の存在が確認されてはいるが、その病態的意義に関しては不明である。本研究では、グリオーマにおけるTh17細胞の役割について追究する。
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研究成果の概要 |
本課題では、ケモカイン受容体CCR4がグリオーマに与える影響について検討した。CCR4欠損マウスでは、腫瘍の増殖が亢進し、生存日数が短縮した。また、CCR4欠損マウスでは、脳内へのCCR4陽性Th17細胞、および、グリオーマにおいて腫瘍の実質的な排除を担うM1マクロファージの浸潤が減少した。制御性T細胞やTh2細胞といった他のCCR4発現細胞の浸潤に変化はなかった。選択的CCR4阻害薬処置でも同様の結果が得られた。以上より、グリオーマにおいて、CCR4はTh17細胞の浸潤を介し、マクロファージの分極に影響することで、グリオーマの増殖を抑制する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
他のがん種に比べ、グリオーマは治療薬が極端に少なく、また手術による腫瘍の除去も困難なため、極めて難治性の癌である。また、T細胞を始めとした各種免疫細胞の役割および浸潤機序の解明が、抹消組織に発生したがんと比べ、進んでいない。本課題で見出した知見は、グリオーマにおけるTh17細胞の浸潤機序および役割の解明の一助となると考えている。
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