研究課題/領域番号 |
21K15269
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森山 博史 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40816633)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | てんかん / 脳波 / TRPM8KO / TRPM8作動薬 / 細胞外グルタミン酸 / てんかん発作 / てんかん性異常脳波 / マウス / TRPM8チャネル / 細胞外グルタミン酸濃度 / パッチクランプ / 薬剤誘発性てんかんモデル / 温度感受性受容体 / 難治性てんかん / TRPM8 |
研究開始時の研究の概要 |
既存の抗てんかん薬でコントロール不良な難治性てんかん患者はてんかん患者全体の約3割と多い.そこで我々は,脳を直接冷やす局所脳冷却技術を開発し,難治性てんかんに対する有効性を示したが,局所脳冷却処置は侵襲性が高く,臨床応用には至っていない.これらの背景から,本研究では局所脳冷却技術を薬剤で代替可能か検討する.その候補が冷却温度(15℃)で活性化するTRPM8チャネルである. 本研究では,難治性てんかん患者に対する新規作用機序に基づく抗てんかん薬の開発を大目的として,TRPM8チャネルの抗てんかん作用をマウスのてんかん焦点及び細胞単位で調べ,TRPM8チャネルによるてんかんの病態制御基盤を解明する.
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研究成果の概要 |
温度感受性TRPM8チャネルの薬剤による活性化がてんかん発作を抑制すると仮説を立てて研究を実施した.TRPM8チャネルを脳内に発現するマウスはTRPM8チャネルの活性剤によって薬剤誘発性のてんかん発作を抑制した.一方,TRPM8チャネル遺伝的に欠損させたTRPM8欠損マウスではTRPM8チャネルの活性剤による抗てんかん様の効果は検出されなかった.また,TRPM8欠損マウスとTRPM8チャネルを有するマウスとのてんかん発作を比較した結果,TRPM8欠損マウスはてんかん発作を起こしやすいことがわかった.その原因はてんかん発作の原因物質の一つであるグルタミン酸の細胞外濃度の上昇によるものであった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TRPM8チャネルの活性剤がてんかん治療薬の候補であることがわかった.既存の抗てんかん薬と異なる作用機序の解明ができたため薬剤抵抗性を示す難治性てんかん患者への応用が期待される.
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