研究課題/領域番号 |
21K15270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福田 未音 九州大学, 大学病院, 薬剤師 (50895604)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | CKD / バイオマーカー / 肝移植 / メタボローム解析 / HE4 / 免疫抑制薬 |
研究開始時の研究の概要 |
肝移植後の慢性腎臓病(CKD)の特徴的な要因として、主たる免疫抑制薬であるタクロリムスの長期使用があげられる。実臨床では腎機能の経過観察を行いながらタクロリムスが継続されることから、移植後のCKDに対する早期対策が極めて重要となる。 本研究では、尿中生体由来代謝物、尿中漏出低分子蛋白質、タクロリムスの体内動態に影響を及ぼす薬物代謝酵素の遺伝子多型と臨床的診断を総合的に解析することにより、従来のCKDの指標である血清クレアチニンを基にして算出した推算糸球体ろ過量(eGFR)及び尿蛋白に比べて、より高精度なCKD予測バイオマーカーを同定し、CKDの早期治療介入の基盤を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
臓器移植において、タクロリムスを中心とした免疫抑制療法の発展は拒絶反応の抑制、すなわち臓器移植の成功率の上昇に貢献してきた。その一方で、タクロリムスによる腎毒性を起因として腎機能障害が進行した慢性腎臓病(CKD)が問題となっている。CKDは、他の臓器移植と比べて肝移植で発症する頻度が高く、その発症は、肝移植患者のQuality of Life(QOL) の低下や死亡率の上昇につながる。しかし、CKD の発症は、推算糸球体ろ過量(eGFR)及び尿蛋白のみで診断されていることから、その診断精度の問題点より、見逃されて症状が進行している場合が多いのが現状である。そのため、CKD を早期に予測するバイオマーカーが渇望されている。本研究では、CKD バイオマーカーとして報告されている尿中低分子蛋白質の検証に加え、尿中生体由来代謝物の網羅的解析(メタボローム解析)、薬物代謝酵素の遺伝子多型と臨床経過を総合的に解析し、高感度かつ特異的のみならず、正確性、確実性をもった肝移植後の CKD 予測バイオマーカーの同定を行うとともに、CKD の早期治療介入の基盤を確立することを目的とした。本年度は以下の検討を行った。
①タクロリムス投与前、および投与中に経時的に採取した患者尿検体を用いてNeutrophil Gelatinase-AssociatedLipocalin :NGAL、Liver-type Fatty Acid-Binding Protein : L-FABP、human epididymis secretory protein (HE4)、Kidney injury molecule 1(KIM-1)の尿中漏出量をELISA 法を用いて測定を行い、遺伝子多型と臨床経過の総合的な解析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予想に反して遠方からの手術患者が多く、移植後に当院に定期受診する患者が少なかったことから、新規サンプル回収が伸び悩んだため、現時点でのサンプルで解析を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で得ているサンプルを対象に臨床データとの解析を進める。
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