研究課題/領域番号 |
21K15271
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡元 拓海 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員 (40826351)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ユビキチンリガーゼ / RNF183 / 高浸透圧ストレス / NKCC1 / ビオチンリガーゼ / オートファジー / p62 |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓の中でもより厳しい高浸透圧環境である集合管に特異的発現を示すRNF183の生理機能については解明されていない。そこで本研究では、最近得られたRNF183とオートファジーとの関連性を示す結果をもとにRNF183の生理機能の解析を行う。また、高浸透圧誘導性ユビキチンリガーゼであるRNF183を介したオートファジー経路についても詳細に検証する。さらに、ゲノム編集によるノックイン技術を駆使して、ビオチンリガーゼをRNF183遺伝子にノックインすることで、生理的条件下でのRNF183のユビキチン化基質タンパク質同定法を確立する。
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研究成果の概要 |
高浸透圧誘導性ユビキチンリガーゼRNF183はNa,K-ATPaseやNKCC1のようなイオントランスポーターを基質として認識することでそれらのリソソーム分解を促進することを明らかにしており、その分解がオートファジーに関連している可能性があった。しかし、オートファジーに関連する分子ATG5、Beclin1をノックアウトした時、これらの分解の抑制は認められなかった。これより、RNF183によるイオントランスポーターの分解はオートファジーとは違う機構、もしくはATG5やBeclin1非依存的な新たな分解機構であることが示唆された。また、組織レベルでのRNF183の基質タンパク質同定も進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RNF183が発現する細胞によってその細胞への影響が異なる可能性を示せた。これは、本来腎臓特異的に発現しているRNF183が、炎症性腸疾患患者の大腸において異常発現している報告があることからも、腎臓ではRNF183の発現が細胞保護の働きを、その他の細胞においては細胞死への誘導作用がある可能性を示した。これより、RNF183が炎症性腸疾患の新たな治療ターゲットとなる可能性がある。また、マウスの組織レベルでのユビキチンリガーゼの基質タンパク質の同定を行っており、成功すれば、様々なタンパク質の生理条件下での機能解析への貢献が期待できる。
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