研究課題/領域番号 |
21K15274
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
水間 敦士 東海大学, 医学部, 准教授 (60609311)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 脂質異常症 / ミクログリア / 脳虚血 / PCSK9 / 基礎研究 / CETP阻害 / 再灌流障害 / 脳保護 |
研究開始時の研究の概要 |
急性期脳梗塞において再灌流障害におけるミクログリア/マクロファージの活性化や炎症関連分子の抑制を目的とした治療は脳梗塞の転機改善を目指す上で重要であり、新たな治療薬が望まれる。PCSK9阻害薬は脳梗塞の二次予防である脂質管理に関して承認された薬であり、PCSK9は動脈硬化やアルツハイマー病における神経細胞死に関与していることが明らかとなっている。一方で急性期脳梗塞における炎症反応や再灌流障害に関連した神経細胞死とPCSK9の関与は明らかでなく、脳梗塞の病態において、急性期におけるPCSK9発現の炎症増悪と神経細胞死への関与やPCSK9阻害による脳保護効果を検証することを本研究の課題とする。
|
研究実績の概要 |
脳梗塞モデルマウス(tMCAOモデル)を作成したうえでCETP阻害薬(anacetrapib)投与群とプラセボ群との行動解析による神経機能評価および脳梗塞巣のサイズ の比較を行った。CETP阻害薬を介したPCSK9阻害効果はPCSK9の調節因子であるSREBP2の発現抑制を介した機序で得られることを以前の検討で検証を行っている。 神経機能については投薬群にて有意な改善効果があり、CETP阻害薬を介したPCSK9阻害作用が神経保護に寄与する可能性が示された。脳梗塞巣の評価についてtMCAOモデルおよびdistal MCAOモデル両群においてもプラセボ群と治療群(CETP阻害薬、PCSK9中和抗体)いずれにおいても両群で有意差を認め、神経保護効果を示す結果が得られた。また、2023年度は次のステップとして病理学的な観点でミクログリア活性を介した炎症作用についての抑制効果との関連性についても検証を行ない、M1マーカーであるIba1染色陽性細胞は治療介入群にて有意に減少しており、M2マーカーであるCD206陽性細胞数は治療介入群にて有意に多い傾向が得られたことからPCSK9阻害によるM1/M2局在への影響とそれに関連した抗炎症作用と神経保護作用を示唆する結果が得られた。 最終的にはSREBP2とPCSK9 の急性期脳梗塞への病態の関与を明らかにすることで、PCSK9活性だけでなくSREBP2活性の抑制が新たな治療ターゲットになり、臨床応用が可能となることが期待されるためこれらの検討は重要であると考えている。2023年度はこれらの途中経過報告として日本脳卒中学会にて報告を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床業務との兼ね合いで解析自体は遅れていたが、2024年度内で論文作成に向けての一定の解析は進められると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
切片作成や免疫染色に関しては技術職員に協力を求めて、円滑に進められるように調整を行う。モデルマウス作成に関しては臨床業務の時間調整を行いつつ進め られるように努力する。
|