研究課題/領域番号 |
21K15276
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
安田 浩之 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40780284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 細胞外トラップ / 消化管炎症 / IBD / PADI2 / PADI4 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外トラップとは好中球やマクロファージによって誘導される細胞死の一種であり、様々な炎症性疾患の増悪に関与すると報告されている。本研究では、IBDをはじめとする消化管炎症において、好中球やマクロファージ誘導性細胞外トラップの病態への関与とその誘導機構をPADI2とPADI4に着目して明らかにする。消化管炎症の病態や細胞外トラップへのPADI2およびPADI4の関与は、阻害剤などの薬理学的ツールや遺伝子改変マウスを用いて、詳細な誘導機構の解明を目指し、新たな病態理論の提案や新規創薬の情報提供につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、IBDをはじめとする消化管炎症において、NETsやMETsの病態への関与とその誘導機構をPADI2とPADI4に着目して明らかにすることを目的とした。TNBS誘起大腸炎またはDSS誘起大腸炎ではNETsおよびMETsが誘導され、特にTNBS誘起大腸炎においてはPADI4を介したNETsがその病態形成に関与することが明らかとなった。対照的に、DSS誘起大腸炎ではPADI2およびPADI4KOマウスで病態が悪化した。以上の結果から、IBDにおいてPADI2およびPADI4KOは細胞外トラップ依存的に、または非依存的に病態形成に関与すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
以前より、様々な疾患において細胞外トラップの関与が示唆されてきたが、IBDなどの消化管炎症に細胞外トラップが関与するか検討した研究は少なく、NETsとMETsの誘導比較という観点から検討した研究はない。本研究では、消化管炎症において細胞外トラップが免疫応答の一端に関与することを明らかにした。このとき、細胞外トラップ依存的な病態形成だけでなく、PADI2とPADI4を介した細胞外トラップ非依存的な経路によってIBDの病態が進行する可能性があるという結果も得られ、より詳細な病態形成機構の解明に向けた重要な情報を提供できたと考える。
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