研究課題/領域番号 |
21K15277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2022) 大阪医科薬科大学 (2021) |
研究代表者 |
伊藤 淳平 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30897583)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストア作動性カルシウム流入 / 心不全 / 選択的スプライシング / スプライシング / Stim2 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者では心筋細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が報告されており、心機能の悪化を惹起しているためカルシウムイオン濃度を調節するタンパク質を標的とした創薬が心機能改善に有効である。本研究では、細胞内小器官でありカルシウムイオンを貯蓄する小胞体のカルシウムイオンの枯渇により流入を引き起こすストア作動性カルシウム流入に着目し、その構成タンパク質であるSTIM2とそのスプライシング機構を調整することによりカルシウム流入を微調整できるような心不全治療薬の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
心不全患者では心筋細胞内カルシウムイオン濃度が上昇していること、そして増加に伴い心機能の悪化を惹起しているためカルシウムイオン濃度を調節するタンパク質を標的とした創薬が心機能改善に有効である。本研究では、カルシウムイオンを貯蓄する小胞体のカルシウムイオンの枯渇により流入を引き起こすストア作動性カルシウム流入に着目し、その構成タンパク質であるSTIM2とそのスプライシング機構を調整することによりカルシウム流入を微調整できるような心不全治療薬の開発を目指す。 今年度は、Stim2の選択的スプライシングに関与する因子の同定を試みた。心臓組織抽出液と5’末端をビオンチンで修飾した合成RNAを用いてRNAプルダウンアッセイを行い、結合したタンパク質を質量分析によって解析したところ、あるスプライシング調節因子が検出された。検出されたスプライシング調節分子をクローニングし、マウス筋芽細胞株C2C12に過剰発現させることでSTIM2.1/STIM2.2比の変化することを確認した。また、同様にC2C12細胞にスプライス調節分子を過剰発現させることでストア作動性カルシウム流入が変化することも確認した。さらに、本スプライシングが関与するexionやintronをクローニングしミニ遺伝子を作製し、バイオインフォマティクスツールにより複数予測されたRNA上の結合配列に変異を導入し、結合配列領域の同定を行った。その結果、本スプライシング調節因子の結合領域が同定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Stim2の選択的スプライシングに関与する因子をRNAプルダウンアッセイと質量分析によって同定することができた。さらに、バイオインフォマティクスツールとミニ遺伝子を用いることで結合領域を同定も完了した。これらはmRNAのSTIM2.1/STIM2.2比の変化やストア作動性カルシウム流入の変化により確認された。令和4年10月より所属が変更になったため、一時期中断をしていた時期があるが、当初の計画通りに進展している為おおむね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、今回同定したスプライシング調節分子の結合領域特異的な核酸を用い、STIM2.1/STIM2.2比の変化やストア作動性カルシウム流入が変化するか検討する。in vitroの系で有用な核酸の候補を選定できたら初年度の様にマウス心臓にTACを施しin vivoでもアンチセンスオリゴが制御するかを確認し、最終的には心不全を抑制もしくは改善するかを検討する。
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