研究課題/領域番号 |
21K15288
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 修一 福岡大学, 薬学部, 講師 (80826032)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | prodrug / uptake / vitamin K / hepatocellular carcinoma / ビタミンK / プロドラッグ / トランスポーター / 肝細胞癌 / がん / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
ビタミンK2(VK)は予後の悪い肝細胞癌に対する安全な再発予防薬として強く期待されたが、大規模臨床試験では有効性を示せなかった。申請者らはVKが持つ抗がん効果は還元型VK(VKH)の肝細胞癌への効率的な送達によってもたらされると仮説を立てた。VKHは易酸化性のため、エステル型プロドラッグとし、このVKHプロドラッグは肝細胞癌細胞に効率よく取込まれ、細胞内再変換によってVKHを送達し、天然型VKよりも高い増殖抑制効果を示した。一方、効率的なプロドラッグ細胞取込みについて、トランスポーターの寄与は不明である。本研究ではトランスポーターの寄与を明らかにし、再発予防薬としての基盤となる知見を得たい。
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研究成果の概要 |
我々はビタミンK依存性タンパク質生合成の活性体である還元型ビタミンK2(MKH)のカチオン性プロドラッグが肝細胞癌(HCC)に対し効率的なMKH送達を示すことを明らかにしているが、取込み機構は明らかにできていない。本課題では当該プロドラッグの細胞取込み挙動の解明を目的とした。MKHプロドラッグの細胞取込みは、冷却処理とNPC1L1トランスポーター阻害剤エゼチミブによって阻害され、能動輸送とNPC1L1の関与が示唆された。一方、HCC細胞のNPC1L1ノックダウン及びHEK293細胞への一過性のNPC1L1強制発現では、MKHプロドラッグの取込みに影響せず、継続的な調査が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌(HCC)は予後が極めて悪いがんの一つであり、分子標的薬が登場した現在でも、より安全で安価な化学療法薬が求められている。ビタミンK2は骨粗鬆症の治療薬としての実績から安全な抗HCC薬候補として今なお期待されている。我々はビタミンK依存性タンパク質生合成の活性体である還元型ビタミンK2(MKH)のカチオン性プロドラッグが高い細胞増殖抑制効果と効率的なMKH送達を示すことを明らかにしている。一方、当該プロドラッグの効率的な効果発現はHCC細胞内への効率的な取込みが鍵であり、もしHCC特異的な取込みが観察されればより安全な候補化合物として期待できる。
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