研究課題/領域番号 |
21K15289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
太田 智絵 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (10804221)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オートファジー / メラニン / 色素異常症 / 天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はオートファジーを介してメラニンを制御する天然物の探索を行う。近年オートファジーは、メラノサイト内でのメラニン合成およびケラチノサイト内でのメラノソーム分解を制御することが見出され、メラニン制御の新たなターゲットとなっている。申請者らの研究室ではオートファジー制御およびメラニン合成のアッセイ系を確立しており、すでに生薬エキスライブラリーにおける両アッセイ系のスクリーニング結果も得ている。それらを用いて、本研究は新たな作用機序をもつメラニン制御物質を見出すことを目的とする。さらに本研究成果によりメラニンが関与する色素異常症に対する新たな治療薬の創出および治療標的分子の発見に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究はオートファジーを介してメラニンを制御する天然物の探索を行うことで、新たな作用機序をもつメラニン制御物質を見出し、メラニンが関与する色素異常症に対する新たな治療薬の創出および治療標的分子の発見に貢献することを目標としている。昨年度は、ケラチノサイトHaCaT細胞を用いて、130 種の生薬エキスによるLCⅢ-2およびp62の発現を確認した結果、ケイヒ、シコン、マオウ、ウズの4エキスがLCⅢ-2およびp62の発現を大きく変動させることを見出した。今年度は、これらの4エキスのうち、マオウに着目し、分離精製を実施し、ヘキサン、酢酸エチル、n-ブタノール、水にて順次分配し、それぞれの画分を得た。得られた画分について、LCⅢ-2およびp62の発現を確認した結果、n-ブタノールおよび水画分に活性を得た。現在さらに分離精製を進め、活性成分の探索を進めている。 さらに、上記4エキス以外のメラニン制御物質の探索を実施した。その結果、クズ葉がマウスメラノーマB16-F1細胞のメラニン合成促進作用を示した。さらに、本エキスをヘキサン、酢酸エチル、n-ブタノール、水で順次分配し、メラニン合成誘導能、細胞内Tyr活性、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2のタンパク質発現への影響を比較したところ、ヘキサン画分が最も強い活性を示した。さらに、ヒト皮膚3次元モデルにおいて、クズ葉エキスおよびヘキサン画分は黒化を顕著に誘導した。以上のことから、クズ葉が強いメラニン誘導能を有することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
活性を見出した4つの生薬エキスの分離精製を実施しているが、単離まで到達しておらず、やや進捗が遅れていると言える。しかしながら、4つの生薬エキス以外の新たなメラニン制御物質も見出しており、十分な成果は得られていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
4つの生薬エキスを、活性を指標にして分離・精製し、その活性成分を単離・同定する。また、見出した活性成分について、化学変換や修飾を行い、構造類縁体群の拡充と活性の比較を行うことで、構造活性相関の知見を深める。現在はHaCaT細胞に焦点を当てているが、メラノサイトNHEM細胞やHEMn-DP細胞でもLCⅢ-2およびp62の発現の変動を確認する。さらに、選抜した生薬エキスのオートファジーおよびメラニン産生・蓄積への影響を確かめるために、メラノサイト細胞とケラチノサイト細胞の共培養系やヒト皮膚三次元モデルを用いて、LCⅢ-2とp62の変動、さらにメラニン量の変化を測定する。B16-F1細胞およびヒト皮膚3次元モデルにおいて強いメラニン誘導能を示したクズ葉のヘキサン画分においては、今後活性本体の同定を試みるとともに、B16-F1細胞およびHaCaT細胞においてLCⅢ-2およびp62の発現の変動を確認することで、オートファジー制御能の有無を確認する。
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