研究課題/領域番号 |
21K15298
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2022-2023) 静岡県立大学 (2021) |
研究代表者 |
田中 紫茉子 帝京大学, 薬学部, 講師 (10559925)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | グミ製剤 / スルファメトキサゾール/トリメトプリム配合剤 / 製剤試験 / 味覚官能試験 / 院内製剤 / ST合剤 / 小児患者 / 服薬アドヒアランス |
研究開始時の研究の概要 |
小児患者における服薬アドヒアランスの向上及び治療効果の改善を目的として、不快な味の薬剤を院内製剤(グミ製剤)として開発し、臨床現場で応用する。 不快な味を有するモデル薬物として、ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制薬であるスルファメトキサゾール/トリメトプリム配合剤(ST合剤)を含むグミ製剤を製し、①実験計画法を用いた処方設計(臨床使用に適した物性を有するグミ製剤の処方決定)、②製剤学的試験による製剤評価(製剤の物性、含量、保存性、安全性の担保)③小児患者における臨床試験(アドヒアランス及び治療効果の評価)を行う。
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研究実績の概要 |
適正な治療効果を得るには、患者が主体的に治療へ参加することが大切である。しかしながら、不快な味を有する薬剤に抵抗を示す小児患者は、錠剤や散剤をはじめとした薬剤の服用が困難であり、剤形の工夫が求められている。そこで、服薬アドヒアランス向上を目的とした高付加価値製剤として、不快な味の薬剤の院内製剤化及び製剤評価を行った。 昨年度までに不快な味を有するモデル薬物として、ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制薬であるスルファメトキサゾール/トリメトプリム配合剤(ST合剤)を含むグミ製剤(ST-G)を調製した。 本製剤の製剤試験を実施した結果、臨床使用に問題のない物性(含量、保存安定性、針入度、一般細菌試験)を有することが確認された。本製剤について、岐阜大学医学部附属病院に院内製剤として申請し、同病院薬剤部の薬剤師により調製を行った。 研究倫理審査委員会の承認の下、健康成人を対象とした臨床試験を実施した。評価項目は、苦味、甘味、総合服用間のVAS値とした。その結果、処方設計の下調製したST-Gは服用性が優れている事が示された。本研究結果より、院内製剤として臨床現場で使用可能な製剤特性を有するグミ製剤を開発することができた。今後、小児患者を対象としたクロスオーバー試験(ST合剤及びST-G)を実施する予定である。 さらに、帝京大学医学部附属病院と共同で抗てんかん薬含有グミ製剤の処方設計を行った。製剤試験及び倫理委員会の承認後に服用性評価を実施し、グミ製剤の適応疾患を拡大する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、グミ製剤の処方設計及び製剤試験はほぼ完了し、新たな治療薬に関してもグミ製剤の開発を始動した。さらに、研究協力期間(病院)との連携も整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、開発したグミ製剤の服用性・治療効果の検証についての準備を進め、健康成人を対象とした官能試験及び小児患者を対象とした臨床試験を行う予定である。
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