研究課題/領域番号 |
21K15304
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
楠瀬 翔一 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (60868470)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 神経活性ステロイド / 抗不安薬 / アロプレグナノロン / スクリーニング / ドラッグリポジショニング / アリールオキシプロパンアミン / LC/ESI-MS/MS |
研究開始時の研究の概要 |
神経活性ステロイドの一つであるアロプレグナノロン(AP)の生合成促進を作用機序とした抗不安薬を,ドラッグリポジショニング手法により開発することを究極の目標とする.そのために本課題では,培養細胞株を利用したAP生合成促進薬の新規スクリーニング系を構築し,既存薬から脳内APレベル上昇作用を有する抗不安薬候補薬剤を見出すこと目的とする.APは脳内にてγ-アミノ酪酸A型(GABAA)受容体に作用することで抗不安作用を発揮することが知られているが,AP生合成系をターゲットとした医薬品開発は十分に進んでいない.本研究結果は新たな作用機序をする抗不安薬開発の一助となることが期待できる.
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研究成果の概要 |
LC/ESI-MS/MSにGirard試薬Pとそのアイソトポログである2H5-Girard試薬Pによる誘導体化を組み合わせ,培養細胞が産生するアロプレグナノロン (AP) 量の薬剤処理の有無による差を解析する方法を開発した.isotope-coded derivatizationを基盤とするラット脳内APの高感度かつ信頼性に優れるLC/ESI-MS/MS定量法の開発した. これらの開発した方法を用い,デュロキセチン,ダポキセチン,プロプラのロールによる脳内AP生合成促進作用を初めて見出し,脳内APレベル上昇がこれらの薬物の抗不安作用に関与する可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で新たにAP生合成促進作用が見出されたデュロキセチン,ダポキセチン,プロプラノロールと,既にAP生合成促進作用が知られている薬剤 (フルオキセチンやパロキセチン) は共通した部分構造 (アリールオキシプロパンアミン構造) を有しており,この構造がAP合成に関わる酵素の活性化に関与する可能性が示唆された. また,本研究開発された培養細胞を用いたスクリーニング系,ラット脳内AP分析法は,今後のAP生合成促進を基盤とした新たな抗不安薬探索の推進に寄与するものと期待される.
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