研究課題/領域番号 |
21K15308
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藤野 智恵里 立命館大学, 薬学部, 助教 (30844253)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 薬物代謝酵素 / 薬物トランスポーター / 遺伝子発現調節 / 薬物動態変動要因 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの遺伝子発現が変動することで医薬品の体内動態が変動し、薬効や副作用発現に影響を与えることがある。この2つは機能面で協奏的に働いて薬物の代謝・排泄に寄与するため、両方の発現変動を考慮する必要があるが、統合的に評価されていないのが現状である。これまでのin vitro実験から、排泄トランスポーターMRP2の発現低下により硫酸転移酵素の遺伝子発現が減少することが明らかとなった。そこで本研究では、MRP2の発現低下に着目し、in vitro実験とin vivo実験の両面から、協奏的な遺伝子発現調節の解明および変動する内在性物質に着目したメカニズム解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では薬物代謝酵素と薬物トランスポーターにおける協奏的な遺伝子発現調節の関係性について明らかにすることを目的とした。In vitroおよびin vivo実験から、排泄トランスポーターMRP2の減少または欠損により硫酸転移酵素SULT1E1のmRNAおよびタンパク質発現が低下することを示唆した。また、MRP2欠損ラットの肝臓において転写因子であるFXRとLXRの活性化が示唆され、FXRのアゴニストである胆汁酸はSULT1E1の遺伝子発現を減少させることが明らかになった。以上より、MRP2の発現低下は内在性物質による転写因子の活性化を介してSULT1E1の発現に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの遺伝子発現が変動することで医薬品の体内動態が変動し、薬効や副作用発現に影響を与えることがある。本研究において、MRP2の発現低下がSULT1E1の発現に影響を及ぼす可能性を示した。MRP2には遺伝子多型が存在することが知られており、MRP2の発現が低い人においてMRP2基質だけではない医薬品の体内動態の変動に注意する必要があると考えられる。このような生理的な遺伝子発現の相互調節が明らかになることで、臨床現場や創薬段階での薬物投与における、薬物動態の変動要因や個人差の予測に役立つと考えられる。
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