研究課題/領域番号 |
21K15309
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
山本 将大 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 特任研究員 (50825693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ドラッグリポジショニング / 神経障害性疼痛 / リン脂質生合成酵素 / 生体膜リン脂質 / リゾリン脂質アシル転移酵素 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性的な炎症や神経系組織の損傷によって病態形成される難治性疼痛は,モルヒネでさえも奏功しないコントロール不良な疾患である。申請者は近年,難治性疼痛モデルマウスを用いた解析から,生体において「脂質の質」を管理するリゾリン脂質アシル転移酵素(LPLAT)ファミリー遺伝子のうち,複数の遺伝子改変マウスで難治性疼痛の症状が軽減する可能性を見出した。 本研究はドラッグリポジショニング研究である。既承認薬ライブラリーを用いたLPLATsの阻害薬スクリーニングを行い,難治性疼痛に対する新規治療薬候補の探索と病態モデルマウスを用いた有効性の検証を行う。難治性疼痛に“今”苦しむ患者へ迅速に研究成果を還元したい。
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研究成果の概要 |
神経障害性疼痛は,触刺激でさえも激烈な痛みとして感じてしまう病的な慢性疼痛疾患である。申請者は近年,生体膜の主要構成成分であるリン脂質の多様性を形成する責任酵素リゾリン脂質アシル転移酵素ファミリーのうち,LPCAT2およびLPCAT3が神経障害性疼痛病態に関わる可能性を見出していた。本研究では,どの細胞種に発現するLPCAT2やLPCAT3が神経障害性疼痛病態に重要であるかを明らかにした。さらに,既承認医薬品ライブラリーを用いた阻害薬スクリーニングによってLPCAT2やLPCAT3阻害薬を探索し,複数の新規阻害薬候補を見出した。今後の新しい鎮痛薬開発の足がかりとなると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体膜リン脂質の多様性の生理・病態学的な意義についてはブラックボックスである。本研究では,神経障害性疼痛病態に対して,リン脂質生合成酵素が重要な役割を果たすことを明らかにした。また,リン脂質生合成酵素を標的にしたドラッグリポジショニング研究を遂行し,阻害剤となりうる候補化合物を複数見出した。リン脂質生合成酵素が疼痛疾患に関わる詳細なメカニズムや阻害剤候補化合物の更なる検証が必要ではあるが,今後のリン脂質多様性の生物学,および,新規鎮痛薬開発の足がかりとなる成果であると考えられる。
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