研究課題/領域番号 |
21K15311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
薄田 健史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 助教 (50880689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 薬物過敏症 / HLA / CD8陽性T細胞 / 細胞内エネルギー代謝 / 解糖系 / 免疫寛容 / 細胞内代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物過敏症の個人差は遺伝的要因と環境要因に関連することが知られているが、遺伝的要因であるヒト白血球抗原(HLA)多型のみを考慮した場合、リスク薬物を完全に予測できないことが問題となっている。一方で、HLA多型の遺伝子導入マウスを用いた検討で、抗HIV薬アバカビルが惹起する薬物過敏症への免疫チェックポイント分子の関与がこれまでに明らかになり、本マウスが環境要因を探る薬疹モデルとなることが見出されている。本研究では「細胞内代謝環境の変化により免疫チェックポイント分子の発現量が制御される機構」に焦点を当て、薬物過敏症の個人差を左右する細胞内代謝環境の重要性について薬疹モデルマウスを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
薬物過敏症の個人差は遺伝的要因と環境要因に関連することが知られているが、遺伝的要因であるヒト白血球抗原(HLA)多型のみを考慮した場合、リスク薬物を完全に予測できないことが問題となっている。本研究では、抗HIV薬アバカビルによる薬物過敏症を評価可能な薬疹モデルマウスを用いて、薬物過敏症発症時にCD8陽性T細胞においてHk2の発現が上昇し、解糖系代謝が亢進することを明らかにした。加えて、解糖系代謝阻害剤の投与によって薬物過敏症発症が抑制されることを示した。さらに、食事によるカロリー制限によってCD8陽性T細胞の解糖系代謝が低下した場合においても薬物過敏症の発症が抑制されることも示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって薬物過敏症の個人差を生み出す免疫細胞内のエネルギー代謝環境の重要性が実証された。さらに、食事内容によって生体での栄養状態が異なる場合においても薬物過敏症発症の大小が決定づけられることが明らかとなり、食生活の違いが発症環境要因に位置付けられる可能性も示された。今後のさらなる研究の発展によって薬物過敏症の発症リスクの高い集団をより正確に見極められるようになることで、より安全な個別化医療の提供が実現可能となることが期待される。
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