研究課題/領域番号 |
21K15315
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 仁志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 助教 (80791483)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マクロファージ / 線維芽細胞 / がん細胞 / アルブミン / 遺伝子工学技術 / 癌細胞 / 腫瘍関連マクロファージ / 癌関連線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性癌に対する治療効果の向上には、癌細胞への攻撃だけでなく、「癌微小環境」と「癌細胞癌細胞-癌微小環境ネットワーク」の破綻が重要視されるようになってきた。これは、癌微小環境を構成する腫瘍関連マクロファージ(TAM)や癌関連線維芽細胞(CAF)などの細胞群が癌細胞の増殖・浸潤・転移などを司るためである。本研究では、「癌細胞-癌微小環境ネットワーク」の効率的な破綻を企図し、TAM/CAFに癌細胞を加えた三重標的化を可能とする包括的な癌Drug Delivery System(DDS)担体の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
がん細胞とそれを取り巻く間質細胞から成る“がん微小環境”は、難治性がんに対する新たな治療標的として近年注目を集めている。主ながん間質細胞群である腫瘍関連マクロファージ(TAM)やがん関連線維芽細胞(CAF)は、がん細胞と連携して腫瘍促進的ながん微小環境ネットワークを構築する。本研究では、TAM/CAF/がん細胞を同時に標的化するDDS担体、すなわちアルブミンヘテロ二量体を新たに開発し、「がん微小環境ネットワーク」を制御する新規治療戦略の有用性を実証した。本研究で作製した次世代型のDDS担体であるHSA-(Man-HSA)は、難治性がんに対する革新的な薬物療法の道を拓くことが大いに期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにTAMあるいはCAFのいずれか一方を標的とするDDS担体はいくつか開発されているが、癌細胞/TAM/CAFの三者を同時に認識可能な三重標的化薬物送達担体の開発事例は存在しない。今回開発したPTX結合型HSA化Man-HSAは、抗癌剤だけでなく、各種イメージング剤や造影剤を担持可能である。従って、HSA化Man-HSAは新たな「癌細胞-癌微小環境」診断薬としても活用でき、難治性癌に対する治療と診断を同時に行うセラノシス「Theranosis=Therapeutics(治療)+Diagnosis(診断)」担体としての可能性を秘めている。
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