研究課題/領域番号 |
21K15330
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
服部 祐季 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (10754955)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ミクログリア / マクロファージ / 脳 / 発生 / イメージング / 脳室 / 大脳 / 血管 / 脳発生 / 神経発生 / ライブイメージング / ペリサイト / 神経前駆細胞 / ニューロン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マウス胎仔大脳におけるミクログリアのパトロール機構を制御する分子メカニズム、及び、周囲の神経系細胞との相互作用の理解を深める。まず、二光子顕微鏡を用いたin vivo観察系の改良を進め、細胞間ネットワークの時空間情報の実態把握とその評価法を整備し、細胞の運命を追跡できる解析基盤を確立する。そして、この観察・評価システムを利用して、ミクログリアの脳内パトロールの分子機構を明らかにし、ミクログリアと接触した神経前駆細胞のリアルタイムな動態把握と運命追跡を通じて、ミクログリアの脳発生過程における機能的役割の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度は、マウス胎生脳におけるミクログリアの分布調節機構について解析を進めた。特に胎生後期においてミクログリアが皮質板に侵入するメカニズムについて、いくつかの可能性が見えてきたのでその検証を行った。 また、胎生早期でミクログリアおよび脳室内腔に存在するマクロファージの細胞動態について調査し、ミクログリアが大脳原基に定着するまでの分布ルートの一つを同定した。ミクログリアおよび脳境界関連マクロファージはともに卵黄嚢由来であるが、いつ・どこでそれぞれの細胞に運命づけられるのかはこれまでよく分かっていなかった。我々は、脳スライス培養下ライブイメージングや二光子顕微鏡を用いた胎仔脳in vivoイメージングシステム(本課題の推進によりシステムを構築)、フェイトマッピング、細胞追跡調査等を組み合わせた解析を通じて、脳室内腔に分布するマクロファージが胎生12日目において大脳原基に侵入し、侵入後にマクロファージが周囲の環境に呼応してミクログリアへと分化することを明らかにした。すなわち、大脳に存在するミクログリアの一部は脳室内腔マクロファージに由来することが分かった。これは胎生10~11日目頃にミクログリアとしてすでに大脳原基に分布している集団とは別に、それより後の段階で外部から大脳原基に侵入したマクロファージから分化したミクログリアが存在することを意味し、ヘテロな細胞集団であることを意味する。本研究成果は、2023年2月にCell Reports誌に発表した。この研究成果の発展計画として、脳室マクロファージが大脳原基に侵入するメカニズムを明らかにすべく、大脳壁の性質変化や血管、神経前駆細胞との相互作用に注目しながら解析を進めた。
|