研究課題/領域番号 |
21K15331
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
井原 大 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40884367)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Sbno1 / Yeats4 / DNA修復 / ニューロン / 精神疾患 / 細胞の生存 / AirID / 神経発生 / 細胞質 / 分化 / 神経幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトのゲノム解析からSBNO1が精神疾患や正常な脳の発達に関与することが示唆されている。しかし、ニューロンにおけるSBNO1の機能について研究報告はない。我々はSbno1の分子機能について知見を得るためにマウスの大脳皮質を用いて、Sbno1に結合する候補分子のプロテオミクス解析を行った。 本研究では皮質ニューロン初代培養を用いて、タモキシフェン投与による誘導型のSbno1欠損がニューロンをもちいて神経細胞におけるSbno1分子機能を調べる。
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研究成果の概要 |
Sbno1の脳の発生過程における機能解析を実施した。Sbno1は発生期のニューロンにおいて機能する事が我々の過去の研究から明らかになっていた。今回我々は独自に実施したパートナー分子の機能解析の結果から、Sbno1がエンドソームに発現する分子と強く相互作用する事を見出していた。しかしながら、Sbno1は核に発現しており、エンドソームでは一切発現が認められなかった。そこでSbno1の核における機能に着目したところ、転写因子と結合し、下流分子の転写レベルでの制御を行うことが明らかになった。今回我々は下流分子としてYeats4を発見し、DNA損傷とその修復に機能する事を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Sbno1は自閉症患者で点突然変異が発見されている他、孤発性統合失調症や知的障害においてもその関連が報告されている。今回我々は、Sbno1の下流分子としてYeats4を同定し、ニューロンにおけるDNA損傷とその修復において機能する事を見出した。この発見はSbno1の変異によって生じる精神疾患等は、ニューロンのDNA修復能が低下することによってもたらされる可能性を示唆している。これは、これまでの精神疾患患者において観察される報告にないものとなっており、ニューロンのゲノムDNA維持機能が精神疾患の根幹となっている新たな病因の提示となる可能性を示唆している。
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