研究課題/領域番号 |
21K15336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 摂南大学 (2023) 姫路獨協大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
海堀 祐一郎 摂南大学, 薬学部, 助教 (70845776)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 唾液腺 / 幹細胞 / 分化 / ケモカイン / 唾液 / CCL28 / 組織幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
生体は絶えず外界の病原体に晒されており、口腔では大量の唾液が細菌の組織内への侵入を防いでいる。予備検討から、細胞走化性因子であるケモカインを欠損したマウスの唾液腺において、唾液量の低下が認められた。そこで本研究では、ケモカインが唾液腺においてどのような役割を持ち、唾液産生あるいは唾液分泌に寄与しているのか、その分子メカニズムを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
口腔内は外界であり、唾液腺から分泌される唾液が口腔粘膜の保護に大きく貢献している。ケモカインは、免疫細胞の動きを制御する液性因子であり、ケモカインCCL28は外分泌腺組織へのIgA産生細胞の集積を誘導し、粘膜保護に寄与している。本解析において、CCL28欠損マウスの唾液腺では、野生型と比較して粘液性唾液の減少や細菌の浸潤が観察された。さらに、CCL28欠損マウスでは、唾液腺構成分子であるMUC2やAQP5の発現、幹細胞マーカー候補分子であるc-KitやEpCAMの発現量が低下していた。以上のことから、CCL28は唾液腺幹細胞の分化制御を介して、適切な唾液産生に寄与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケモカインは細胞の「動き」を制御する液性因子であり、主に免疫学の分野において着目されてきた。しかし、本研究成果から、唾液産生や幹細胞の分化といった、ケモカインの全く新しい機能を見出すことが出来た。これにより、新しい概念を提供できたのではないかと考える。 これまでのところ、CCL28の発現を誘導する化合物は同定されていない。今後、本研究の発展により、CCL28の発現を誘導する化合物の同定出来れば、加齢やシェーグレン症候群などの口腔内乾燥症患者の口腔内環境の改善に応用できることが期待できる。また、CCL28の発現そのものが唾液腺の機能を評価するバイオマーカーとなる可能性も秘めている。
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