研究課題/領域番号 |
21K15341
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2023) 群馬大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
鈴木 啓 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (10759202)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨芽細胞 / 脂質シグナル / PGE2 / Piezo1 / メカニカルストレス / 分化制御 / シグナル伝播 / プロスタグランジンE2 / 質量分析装置(LCMS) |
研究開始時の研究の概要 |
骨疾患の増加する超高齢化社会において、骨代謝制御の解明は重要である。しかし骨組織制御機構には未知の部分が多く、外部からのメカニカルストレス(MS)が重要な役割を果たす事は知られているが、MS刺激を受ける一部の組織・細胞への刺激が、どのように骨全体の変化を導くかは明らかになっていない。我々は骨芽細胞の脂質シグナル分子オートクラインが細胞群間の非接触性応答と細胞群間の骨形成量の協調に大きく関与することを見出した。本研究では、MS刺激時に脂質シグナル分子が放出されるという報告に着目し、骨局所の物理的負荷を周囲に伝達する脂質シグナル分子の特定と、伝達機構の解析によりMS応答性骨制御機構の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
骨芽細胞の放出する脂質分子に着目し、機械的刺激(メカニカルストレス)応答性による迅速かつ広範囲に放出される脂質シグナル分子が非接触生に骨芽細胞の骨形成を制御する可能性について検討した。結果として、機械的刺激応答性に放出量が変化する脂質シグナル分子は主にプロスタグランジンE2(PGE2)であり、かつこの分泌量が変化するのは細胞の状態が孤立し、骨形成能を発揮しない状態に限定されることを明らかにした。またこのPGE2は機械的シグナルセンサーとして知られるPiezo1が大きく関与しており、この発現量が細胞密度の上昇に伴って低下することが観察された。本成果は論文化し、投稿準備中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢社会を迎える現代において、細胞におけるQOLの維持につながる骨組織の研究は重要である。骨組織は機械的刺激によって維持されることが知られ、骨組織の構成細胞が機械的刺激を細胞での化学的シグナルに変換し、その機能を調節することが知られているが、そのシグナルをいかに効率的に周囲に伝播するかは明らかになっていない、本研究結果は、新たなアプローチにより機械的刺激の伝播機構を解明する一助となるものである。
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