研究課題/領域番号 |
21K15348
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
山下 愛美 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80750637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 遅筋と速筋 / アセチルコリン受容体 / 筋弛緩剤 / 速筋と遅筋 / 骨格筋 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類では個々の筋肉の中に遅筋と速筋が混在している。そのため遅筋・速筋の機能として想定されているものの多くは推測に基づいており、その分子基盤は不明な点が多い。一方ゼブラフィッシュにおいては遅筋と速筋が解剖学的に判別でき、アセチルコリン受容体のサブユニット構成が異なっていることが報告されている。また発生に伴い、体動に用いる筋肉が変化することも知られている。上記を利用して、ゼブラフィッシュを用いた行動実験および培養細胞を用いたアセチルコリン受容体再現系の電気生理学的実験により、遅筋および速筋に特異的に効果がある薬剤の探索を行う。
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研究実績の概要 |
ゼブラフィッシュは受精後24時間までは遅筋を、48時間以降は速筋と遅筋を用いて泳ぐ。そのため、受精後24時間までの個体と48時間以降の個体に薬剤を投与し、効果に違いがあるか調べた。受精後24時間の個体では効果が弱く、48時間以降の個体では効果が強い、すなわち、遅筋への効果は弱く、速筋に選択的に効くと考えられる筋弛緩剤を複数種同定している。 そのような薬剤の中でも特にPancuroniumに着目して解析を行った。ゼブラフィッシュの遅筋と速筋からホールセル記録を行い、速筋の方がPancuroniumが効きやすいことを確認した。ゼブラフィッシュにおいては速筋と遅筋でアセチルコリン受容体のサブユニット構成が異なることが知られており、上記効果の違いはアセチルコリン受容体のサブユニット構成の違いによるものではないかと考え、アフリカツメガエルの卵細胞に速筋型アセチルコリン受容体と遅筋型アセチルコリン受容体のサブユニットを発現させ、アセチルコリン投与によるPancuroniumの阻害効果を測定したところ、やはり速筋型アセチルコリン受容体においてPancuroniumの阻害効果が強いことがわかった。 速筋と遅筋におけるアセチルコリン受容体のサブユニット構成の違いはゼブラフィッシュにおいては報告されているが、マウスやヒトなどにおいては確認されていない。ヒトアセチルコリン受容体においても同様の効果があるか確認するため、HEK293T細胞にヒトアセチルコリン受容体を発現させ同様の実験を行ったところ、ヒトアセチルコリン受容体においても速筋型においてPancuroniumの阻害効果が強いことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
筋弛緩剤であるPancuroniumが速筋特異的に効果があることを調べ、論文受理された。
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今後の研究の推進方策 |
現在使用されている筋弛緩剤はすべて速筋優位に効果があることを示唆するデータが得られている。今後遅筋に特異的に効果がある薬剤を探索する際には、筋肉以外のアセチルコリン受容体に作用する中枢神経系や自律神経節アセチルコリン受容体の阻害剤を使用して同様の研究を行う予定である。
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