研究課題/領域番号 |
21K15354
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西中 崇 近畿大学, 医学部, 講師 (50786184)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 終末糖化産物 / 血管擬態 / 抗腫瘍免疫 / マクロファージ / がん細胞 / STINGシグナル / ヒスチジンリッチ糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞自ら血管様の管腔構造を形成する血管擬態 (vasculogenic mimicry、VM) は、腫瘍の転移に関与するため、今後のがん治療薬開発の標的に位置づけられている。VM 形成の原因物質として、糖尿病や加齢によって生体内に蓄積する終末糖化産物を仮定した。ヒスチジンリッチ糖タンパク質は抗腫瘍活性が示されており、新規がん治療薬の候補分子である。本研究では、終末糖化産物による VM 形成の機序を理解し、VM 形成に対するヒスチジンリッチ糖タンパク質の有効性とその薬理学的作用機序の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
終末糖化産物(AGEs)は、加熱調理した食品に含まれ、生体内でも産生される物質であり、高血糖状態や老化に伴い生体内に蓄積する。本研究では、がん細胞自体が血管様構造を形成する血管擬態をAGEsが促進することを見出した。さらに、AGEsは抗腫瘍免疫応答に関わる細胞内シグナルを調節することを示した。これらAGEsによる作用には、AGEsが結合するスカベンジャー受容体が関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの進展や治療応答性に関わる血管擬態の形成や抗腫瘍免疫応答の制御因子としてのAGEsの新しい役割を示した。その機序としてAGEsが作用するスカベンジャー受容体を見出しており、これを切り口にして新たながん治療薬開発の確立に寄与することが期待される。また、生体内のAGEs量は食事を含めた生活習慣と密接に関係することが知られている。本研究成果は、がんの進展と生活習慣を結びつける科学的根拠を示し、生活改善に向けた取り組みの重要性を改めて強調するものである。
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