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癌細胞遊走におけるRif低分子量Gタンパク質の活性制御機構と機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15365
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分48040:医化学関連
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

星 京香  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00726995)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードRif / 肺腺がん / 低分子量Gタンパク質 / 核膜 / Rhoファミリー / SmgGDS / GDP-GTP交換因子 / 癌細胞遊走 / 糸状突起
研究開始時の研究の概要

細胞の糸状突起は、細胞遊走においてガイダンス因子を感知するアンテナとして機能する他、細胞外基質との接着を介して遊走の足場を形成したり細胞外基質を再構築する機能を担っている。低分子量Gタンパク質Rifは肺癌細胞などにおいて過剰発現し、癌細胞に糸状突起形成に誘導することで癌細胞遊走を制御していることが示唆されている。しかし、Rifの活性や機能がどのように制御されているのかは明らかでない。本研究では、癌細胞におけるRifの活性制御機構と癌細胞遊走における機能を明らかにすることにより、癌浸潤・転移のメカニズム解明を目指す。

研究実績の概要

Rifの細胞内局在とGTP結合能との関連を解析するため、核局在シグナルおよび核外移行シグナルを付加したRifを培養細胞に発現させ、それぞれのRifのGTP結合型の量をGST-mDia1RBDタンパク質を用いたプルダウン解析により検討した。その結果、いずれのRifも野生型と同等のGTP結合能を有していることが確認された。したがって、RifのGTP結合能は細胞内局在によって変化しないことが示唆された。次に、内在性Rifの細胞内局在を免疫蛍光染色法を用いて解析した。抗Rif抗体としては、自作のウサギポリクローナル抗体と市販の二種類のウサギポリクローナル抗体を用いた。まず、抗Rif抗体の感度および特異性を評価するため、RifノックアウトPC9細胞にYFPまたはYFP-Rifを発現させ、免疫染色を行った。その結果、自作抗体および一社のメーカーの抗体がYFP-Rifを特異的に認識することが確認されたが、シグナル:ノイズ比においてメーカー抗体の方が優れていることが明らかとなった。そこで、このメーカー抗体を用いて野生型およびRifノックアウトPC9細胞の免疫染色を行ったところ、野生型細胞において特異的に染色されるシグナルはほとんど検出されなかった。さらに、ヒト肺腺がん組織マイクロアレイを用いた免疫組織化学染色の結果、37/42検体においてがん細胞に明確な染色が認められ、正常組織には染色が見られなかった。また、多くのがん細胞においてRifが細胞質および核に局在することが示された。これにより、培養がん細胞での細胞質―核分画によるRifの局在解析結果と同様に、肺腺がん組織においてもRifががん細胞の細胞質および核に局在することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Rifの細胞内局在とGTP結合能との関係を明らかにすることに成功した。内在性Rifの免疫染色による局在解析において、培養がん細胞では適切に検出できなかったものの、がん細胞組織を用いた免疫組織化学染色により、内在性Rifのがん細胞内局在を明確に示すことができた。一方、in vitro実験に時間を要したためマウスを用いた解析に着手する事ができなかった。

今後の研究の推進方策

PC9細胞における内在性Rifの細胞内局在解析において、明確なRifの染色が認められなかったことから、適切な固定方法および染色方法を検討し、適切な検出方法を確立する必要がある。その検出方法を用いて、糸状突起や浸潤突起の誘導条件下で培養したPC9細胞におけるRifの細胞内局在を解析する。また、三次元ゲル中のPC9細胞塊においても同様に免疫染色を行い、リーダー細胞とフォロワー細胞における内在性Rifの細胞内局在の違いを明らかにする。さらに、Rif結合タンパク質として同定されたSmgGDSがRifの細胞内局在および活性制御に関与している可能性について今年度も引き続き検討する。具体的には、SmgGDSノックアウトがん細胞におけるRifの細胞内局在解析とマウスでの腫瘍形成能の解析を実施する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rho family small GTPase Rif regulates Wnt5a-Ror1-Dvl2 signaling and promotes lung adenocarcinoma progression2023

    • 著者名/発表者名
      Nishita Michiru、Kamizaki Koki、Hoshi Kyoka、Aruga Kana、Nishikaku Ikumi、Shibuya Hiroshi、Matsumoto Kunio、Minami Yasuhiro
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 299 号: 10 ページ: 105248-105248

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.105248

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Total transferrin in cerebrospinal fluid is a novel biomarker for spontaneous intracranial hypotension2021

    • 著者名/発表者名
      Iijima Junko、Hoshi Kyoka、Ito Hiromi、Kanno Mayumi、Murakami Yuta、Takahashi Koichi、Matsumoto Kana、Yamaguchi Yoshiki、Nakajima Madoka、Miyajima Masakazu、Arai Hajime、Kanai Mitsuyasu、Kitazume Shinobu、Honda Takashi、Hashimoto Yasuhiro
    • 雑誌名

      福島医学会

      巻: 67 号: 2 ページ: 64-70

    • DOI

      10.5387/fms.2020-19

    • NAID

      130008079104

    • ISSN
      0016-2590, 2185-4610
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Transferrin Biosynthesized in the Brain Is a Novel Biomarker for Alzheimer’s Disease2021

    • 著者名/発表者名
      Hoshi Kyoka、...、Hashimoto Yasuhiro
    • 雑誌名

      Metabolites

      巻: 11 号: 9 ページ: 616-616

    • DOI

      10.3390/metabo11090616

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Rif低分子量Gタンパク質の細胞内局在と機能の制御機構2022

    • 著者名/発表者名
      渡部祐亮、星京香、紙崎孝基、澁谷浩司、南康博、西田満
    • 学会等名
      日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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