研究課題/領域番号 |
21K15391
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川西 彩 東海大学, 医学部, 助教 (40773114)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵臓 / 膵神経内分泌腫瘍 / Necl-4 / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はNecl-4の発現と機能を解析することにより、膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine neoplasm;PNEN)の高悪性化機構を明らかにすることである。さらにその結果を応用させ、Necl-4に関連した新規バイオマーカーや治療法開発への発展を目指す。
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研究実績の概要 |
応募者はこれまでに、Necl-4の発現が低下する膵管癌は予後不良で高悪性度であることを明らかにし報告した。本研究ではこれまでの研究を発展させ、膵神経内分泌腫瘍におけるNecl-4の発現を制御するmicro RNA (miRNA)の発現と機能について検討することを計画した。 2021年度では、60例のヒトPanNEN組織標本を用いて、Necl-4 の免疫組織化学を施行し、その臨床病理学的意義の検討を行った。結果は、ヒトPanNEN組織標本における膵神経内分泌腫瘍の 23.3 % (n= 14)が Necl-4 陽性、76.7% (n=46)が Necl-4 陰性であった。Necl-4スコアは、Ki-67指数(<3% /≧3%)3/11:26/20例(p<0.021)、組織学的悪性度(G1:G2/3)1/13:22/24例(p=0.006)で優位に関連を認めた。これらの結果より、Necl-4は悪性度の高い膵神経内分泌腫瘍で高発現となることが予測された。 2022年度では、Necl-4は悪性度の高い膵神経内分泌腫瘍で高発現となるという仮説をもとに、ヒトPanNEN切除検体のホルマリン固定パラフィン包埋切片(FFPE切片)よりtotal RNAを抽出し、miRNAマイクロアレイによりNecl-4の発現制御に関わるmiRNAを網羅的に探索した。Necl-4陽性検体とNecl-4陰性検体のmiRNA発現量を比較し検討を行った。Necl-4陽性検体と比較しNecl-4陰性検体では3個のmiRNAで2倍以上の発現亢進および7個で2倍以上の発現低下がみられた。統計学的解析の結果、発現亢進miRNAの2個、発現低下miRNAの3個がNecl-4陽性細胞よりもNecl-4陰性細胞で有意な発現亢進または発現低下をしていることを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究体制の変更等により研究はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
探索したmiRNAのうち、Necl-4を標的とするmiRNAの同定をTargetScan (http://www.targetscan.org/vert_72/)を用いて行う。また、同定したmiRNAを対象としてin situ hybridizationやin vitro実験を行うことにより、膵神経内分泌腫瘍の悪性化や予後に関連するかを検討する。
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