研究課題/領域番号 |
21K15397
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岩渕 英里奈 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70837278)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 乳癌 / 亜鉛トランスポーター / タンパク質間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
エクソソームは癌細胞や間質の正常細胞から分泌され,癌の進展に関わることが報告されており,個別化医療実施のための解析対象として注目されている.本研究では,申請者がこれまで進めてきたエクソソーム分泌に関わるタンパク質間相互作用 (PPI: protein-protein interaction) について,制御機構に関わる因子として微量金属元素に着目した.さらに,分泌されたエクソソームが乳癌細胞に与える影響を検討し,PPIと微量金属元素との関係およびエクソソームの機能を明らかにする.
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研究成果の概要 |
乳癌組織を用いた免疫組織化学にて細胞内小器官への亜鉛の取り込みに関わる亜鉛トランスポーターの発現と,乳癌の悪性度の指標となるいくつかの臨床病理学的因子との間に有意な逆相関が認められた.また,乳癌培養細胞を用いた検討では亜鉛トランスポーターが成長因子のシグナル伝達経路を介して癌細胞の遊走能の抑制に関わることが示唆された.したがって,亜鉛トランスポーターが乳癌の進展において抑制的に働いている可能性が考えられた.また,亜鉛添加により,エクソソーム分泌に関わるタンパク質間相互作用関連因子の発現増加傾向が認められており,亜鉛がエクソソームの分泌に関わる可能性も示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では細胞内小器官内外の輸送に関与する亜鉛トランスポーターが乳癌細胞の悪性化を抑制することが示唆され,亜鉛トランスポーターの乳癌に対する新しい知見を得た.また,その抑制機序として成長因子のシグナル伝達経路を介して機能していることも示した.本研究により乳癌の新しい進展経路を明らかにし,今後の乳癌の診断や治療の発展に寄与すると考えられる.
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