研究課題/領域番号 |
21K15398
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
臺 知子 筑波大学, 附属病院, 研究員 (20835194)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | eEF1A2 / 肺腺癌 / 悪性化 / プロテオミクス / EEF1A2 / CRABP2 / AK4 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌は日本人の癌死のなかで1位であり、そのうち肺腺癌は最も多い組織型である。我々は初期非浸潤性肺腺癌と小型浸潤性肺腺癌について質量分析計を用いてプロテオミクス解析を行った。免疫組織化学染色と予後解析から初期非浸潤癌の悪性化に関わる候補タンパクとしてEEF1A2、CRABP2、AK4を見出した。本研究では肺腺癌細胞株を用いて、遺伝子抑制及び過剰発現等の手法によりタンパクの機能を明らかにし、真の悪性化因子を見つけることを目的とする。
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研究実績の概要 |
Terminal respiratory unit(TRU)より発生し、EGFR変異をもつ初期の肺腺癌について、ドライバー変異以外に悪性化に関わっていると考えられる因子として、申請者が初期肺腺癌を対象として行ったプロテオミクス解析の結果から小型浸潤癌/上皮内腺癌の発現差が最も大きかったeEF1A2に着目し、解析を行った。eEF1A2は翻訳伸長因子複合体のサブユニットであり、その主な機能は、アミノアシルtRNAをリボソームに運搬することである。eEF1Aのもう一方のアイソフォームはeEF1A1であり、両者は93%同一のアミノ酸配列を持つが、その発現パターンは異なっている。 eEF1A2とeEF1A1を特異的に検出できる抗体を選択し、TMAを用いて免疫組織化学染色を行った。浸潤性腺癌では、微少浸潤性腺癌または上皮内腺癌に対してeEF1A2の比較的高い発現が観察された。eEF1A2陽性の腫瘍を有する患者は、eEF1A2陰性の腫瘍を有する患者よりも有意に予後不良であった。浸潤性腺癌のうち、充実型腺癌は他の組織型よりも高い発現を示した。充実型腺癌は低分化腺癌の代表的な組織学的サブタイプであることから、eEF1A2の発現は組織学的分化と関連している可能性がある。さらに、lepidic型腺癌における発現率は、上皮内腺癌および微少浸潤性腺癌よりも顕著に高いことが注目された。上皮内腺癌と微少浸潤性腺癌はlepidic型腺癌で構成されていることから、この所見はeEF1A2の過剰発現がlepidic型腺癌(高分化だが浸潤性の腺癌)の段階で起こることを示唆している。結論として、eEF1A2は肺腺癌の悪性化の過程で過剰発現を示し、高発現群は患者の予後が有意に悪いことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺腺癌におけるeEF1A2の発現について論文投稿中のため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、論文リバイス中のため、引き続き追加の解析を行い、論文発表を行う。
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