研究課題/領域番号 |
21K15404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
片岡 俊朗 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70896878)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 間質性肺炎 / KRAS / KRAS変異 / 肺腺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
間質性肺炎(IP)は原因不明の進行性慢性炎症性疾患であり、高率に肺癌を合併する。IPの病態は不明な点が多く議論が継続されている。切除肺生検を用いてIP肺の蜂巣肺の気管支上皮化生細胞, 比較的健常な肺胞, 気管支上皮細胞におけるKRAS遺伝子変異頻度(VAF)を、低いVAF(>0.015%)を検出可能なデジタルPCRを用いて定量し、IPの各特性との相関を解析する。結果、KRAS VAFとIPの病態との関連が明らかとなり、新しいコンセプトの診断指標の確立に繋がる可能性がある。
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研究実績の概要 |
間質性肺炎(IP)は原因不明の進行性慢性炎症性疾患であり、IPの病態は不明な点が多く議論が継続されている。近年、抗線維化薬が開発され、早期に線維化を確認することで呼吸状態や自覚症状の悪化を抑制し急性増悪や死亡イベントを減らし得るようになった。そのためIPの病態, 病勢の評価基準が必要とされている。本研究は、IPの新たな判定基準の作成や予後予測といった治療の補助や予後の改善に役立つ指標の作成を目的としている。そのためにIPの病態, 病勢, 発癌性, 予後と、IPの慢性炎症を反映するKRAS VAFの関係を明らかにする。 該当年度は122例のIP症例の肺組織からDNAを抽出し、低頻度(>0.015%)の遺伝子変異を検出, 定量のため、デジタルPCRを用いてKRAS G12V及びG12C変異の頻度と全生存期間との関係を解析した。死亡症例は12例であり、いずれも死因はIP関連であった。結果、KRAS G12V及びG12C変異の両方が検出された10症例は、それ以外の112症例に対して有意に予後不良であるという結果が得られた。Cox比例ハザードモデルを使用した多変量解析により、年齢, 性別, 喫煙歴, 特発性間質性肺炎(UIP) patternの有無で調整した結果、KRAS G12V及びG12C変異の有無及びUIP patternの有無がそれぞれ独立した予後因子であることが示された(片岡俊朗等 第111回日本病理学会学術総会 2022)。これによってIP肺組織におけるKRAS G12V/C変異の有無が、IPの独立した予後因子であると示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
122例のIP症例の肺組織からDNAを抽出し、低頻度(>0.015%)の遺伝子変異を検出, 定量のため、デジタルPCRを用いてKRAS G12V及びG12C変異の頻度と全生存期間との関係を解析した。死亡症例は全症例IP関連死であった。結果、KRAS G12V及びG12C変異の両方が検出された症例は、それ以外の症例に対して有意に予後不良であるという結果が得られた。Cox比例ハザードモデルを使用した多変量解析により、年齢, 性別, 喫煙歴, UIP patternの有無で調整した結果、KRAS G12V及びG12C変異の有無及びUIP patternの有無がそれぞれ独立した予後因子であることが示された(片岡俊朗等 第111回日本病理学会学術総会 2022)。これによってIP肺組織におけるKRAS G12V/C変異の有無が、IPの独立した予後因子であると示された。
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今後の研究の推進方策 |
KRAS G12V及びG12C以外の変異 (G12S, G12R, G12A, G12D, G13D) についても変異と予後について解析を行う。また臨床学的検査結果をうけて近年提唱されているGAPスコア等の指標や組織学的特徴と併せた予後予測指標の作成を目指し、解析を追加する。
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