研究課題/領域番号 |
21K15415
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
濱島 丈 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80467092)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 脳血管障害 / 稀突起膠細胞 / 血小板由来増殖因子受容体 / 血管新生 / 髄膜 / 血小板由来増殖因子 / オリゴデンドロサイト / 脳血管 / リモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
脳血管障害は、日本人の死亡原因の上位を占め、死亡率や後遺症の残存率は依然として高く、予後の改善は喫緊の課題です。 近年、活発に稀突起膠細胞の研究が展開されています。本研究課題では、稀突起膠細胞に注目した全く新しい観点から、脳血管の再生し、脳実質内の失われた血流と細胞の回復を図る機構を明らかにします。これによって、髄膜からの組織、細胞の動員を介して脳血管障害の予後の改善を目的とする創薬あるいは治療法開発の手がかりを得ようとするものです。
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研究成果の概要 |
血小板由来増殖因子α受容体(PDGFRα)の条件的ノックアウトマウス(N-PRα-KO)の脳において、PDGFRα陽性血管周囲細胞は日齢の増加とともに髄膜から連続して血管周囲性に脳深部に分布が拡大し、起源が軟膜由来の線維芽細胞perivascular fibroblast (pvF)であることを特定した。シングルセル解析ではpvFが髄膜の軟膜線維芽細胞から脳血管周囲へ誘導される様と、炎症性組織改変に合致した活動性線維芽細胞への変化を抽出した。PDGFRα中和抗体の投与でpvFはborder-associated macrophageの下流で活性化し、炎症性の組織改変に寄与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳血管障害は日本人の死亡原因の上位を占め、死亡率や後遺症の残存率は依然として高く、予後の改善が急務である。 N-PRα-KO 脳で血管の脆弱性を確認したところ、IgG leakage の増加が見られたが、blood-brain-barrierの構成成分に変化は認めなかった。血管の脆弱性は旺盛な血管新生に伴うもの、もしくは稀突起膠細胞系譜細胞による保護の欠如に伴うと推測された。N-PRα-KO 脳皮質で大幅な炎症性の組織改変が確認された。髄膜の炎症性変化や脳における線維芽細胞の誘導は、多様な中枢神経疾患にいて報告されており、本研究はこれらの疾患予後改善の治療法確立に寄与するものとなりうる。
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