研究課題/領域番号 |
21K15426
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 菜月 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (00883323)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 赤痢アメーバ / レトロマー / Vps35 / 小胞輸送 / Retreomer / Vps / membrane traffic / phagocytosis / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
一般にレトロマー(複合体)はプロテアーゼ輸送体と結合しエンドソーム-ゴルジ体間の輸送を制御する。コアタンパク質(Vps26, 29, 35)により形成され、SNX [PX domain (リン脂質結合)]とRab7 (small GTPase)との相互作用により、上記機構の制御を行う。赤痢アメーバ原虫においては病原機構の中核を担う。赤痢アメーバではコアタンパク質が多様化[Vps26×6, Vps35×5]している。この多様性は他種生物でも未解明である。本研究では、赤痢アメーバのレトロマー構成因子、新規結合タンパク質の機能解明、レトロマー全体としての構造、機能制御、病原機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
赤痢アメーバで多様化したレトロマー構成因子の機能解明を目指した本研究により、いくつかの構成因子特異的機能が明らかとなった。特筆すべきは、Vps35-1がレトロマーの貪食胞への動員を制御していること、Vps35-2が病原因子である分泌されたシステインプロテアーゼの活性を制御していることが明らかになったことである。また、それぞれの構成因子が異なるレトロマーのコア複合体を形成し、異なるコア複合体同士で二から四量体を形成していることである。本研究により、レトロマーの高度に複雑な複合体の構成とその異なる機能の一旦、特にVps35-1, Vps35-2が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レトロマーはパーキンソン病やアルツハイマー病の原因遺伝子であるVps35を含む複合体だが、レトロマー構成因子のisotypeの違いによる役割の違いは未だよく明らかになっていない。本研究により、レトロマー構成因子のそれぞれのisotypeによる異なる働きの一端が明らかとなったことはレトロマーの機能を明らかにするために重要である。 これを軸として、他のisotypeの機能や複合体の形成様式が明らかとなれば、赤痢アメーバのみならず、哺乳類における上記の疾病の原因解明と新規治療方法の発見に繋がことが期待される。
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