研究課題/領域番号 |
21K15433
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丹澤 豪人 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員(常勤) (80899328)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | タンパク質合成 / リボソーム / クライオ電子顕微鏡構造解析 / 翻訳アレスト / SecM / クライオ電子顕微鏡単粒子解析 / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
リボソームにおけるタンパク質合成の途中で,ストレス応答といった負の要因からタンパク質の局在輸送といった正の要因までの様々な条件下において,翻訳を一時停止させる「翻訳アレスト」現象が広く報告されている.これまでの研究で,大腸菌secM mRNA上で翻訳アレストが起きると,リボソーム出口トンネルの外に露出した新生鎖がリボソーム表面に結合することで協働的に翻訳アレストを安定化することが1分子力学測定により示された.本申請研究では,クライオ電子顕微鏡を用いてsecMの翻訳アレスト複合体の単粒子解析を行い,secM新生鎖のリボソーム上での翻訳アレスト安定化メカニズムを分子構造レベルで理解する.
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研究成果の概要 |
本申請研究は,タンパク質合成を一時停止させるsecM mRNAに着目し,70Sリボソーム-SecM新生鎖複合体の構造解明により,SecM翻訳アレスト機構を理解することを目的とする. 大腸菌の内在性70Sを単離し,secM mRNAのin vitro転写後,市販の大腸菌無細胞翻訳系の中で70S-SecM新生鎖複合体を調製した.ショ糖密度勾配遠心法,負染色電子顕微鏡観察およびクライオ電子顕微鏡を用いて複合体形成を確認した.SecMアレストはリボソームAサイトにtRNAが結合すると報告されており,3つのtRNAが結合した70S複合体の単粒子解析に成功した.現在,新生鎖領域の解析を継続している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オニールレポートの2050年問題に取り上げられているように,薬剤耐性菌感染症による死亡率上昇の危険度は高まる一方であり,新規・改良型抗生物質の開発が急務である. 本研究で注目する真正細菌リボソームは主要な創薬ターゲットであり,現存する抗生物質の実に7割以上がリボソームを標的とする.SecMは生命維持に必須なATP駆動型膜タンパク質輸送チャネル(SecA)の上流ペプチドでSecA翻訳を調節するため,SecM翻訳アレストの分子レベルでの理解は新規薬剤探索への応用が期待できる.またSecMアレスト配列は分子生物学研究で広く利用されており,本研究成果はより精密な実験系の提案にも寄与できると期待している.
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