研究課題/領域番号 |
21K15442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 公益財団法人結核予防会 結核研究所 |
研究代表者 |
森重 雄太 公益財団法人結核予防会 結核研究所, 抗酸菌部 結核菌情報科, 研究員 (40765608)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | VBNC / 結核 / Mitoxantrone / 潜在性結核感染症 / 休眠状態 / 再活性化 / Ser/Thrキナーゼ / 増殖能可視化 / 結核菌 / プロテインキナーゼ / 光変換タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
VBNC (Viable But Non-Culturable)菌を「分裂のON/OFF」で識別する手法を、結核菌を用いて開発する。VBNCは細菌に広く認められる休眠現象の一つだが、VBNC菌を特異的に可視化する簡便な手法が無かったため、その集団における個々の菌に注目した解析はほとんど行われなかった。そこで、VBNC菌を再活性化させる際に現れる「再増殖可能菌」と「再増殖不能菌」を識別・分離し、「VBNC結核菌の再増殖の可否を決定づける因子」を同定する。これは結核菌では初の試みであり、潜在性結核感染症の活動性結核への進展を高精度に予測するツールを開発する基礎的知見を得るための研究である。
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研究実績の概要 |
結核の根絶を困難にしている重要な要因の一つに「潜在性結核感染症(LTBI)」という、休眠状態にある結核菌の潜在感染状態と考えられる病態が挙げられる。LTBIでは、結核菌は宿主内で休眠していると考えられる。これと密接に関わる現象として、 細菌では一般的な休眠現象の一つであるVBNC(Viable But Non-Culturable)が挙げられる。VBNCとは、外的ストレス等の要因により増殖を止めた細菌が、いわば「鳴りを潜めている」状態であり、適切な再活性化刺激によって増殖を再開する。 申請者はこれまでに、細胞内寄生菌であるサルモネラ属菌と結核菌において、再活性化刺激に応答して増殖を再開するVBNC菌と、それに応答しないVBNC菌の存在を示唆する知見を得ているが、応答性の差異を解析するには何らかの手法で両者を識別・分離する必要があるが、そのような試みは結核菌においてはほとんど報告が無い。また、再増殖をコントロールする因子も特定されていない。 本年度は、抗酸菌の伸長の際に細胞末端部に局在して伸長複合体を形成するタンパク質の1 つであるWag31に、光変換タンパク質Dendra2を連結したWag31-Dendra2発現M. bovis BCG Tokyo株のVBNC移行・再活性化実験系を検討・構築した。 並行して、結核菌H37Rv株において、電子伝達系阻害薬による迅速かつ簡便なVBNC移行系およびウシ血清アルブミン刺激による再活性化実験系とドッキングシミュレーションによる再活性化阻害因子の探索を行った。結果、結核菌Ser/ThrキナーゼPkn阻害薬が、VBNC結核菌の再活性化を強く抑制することが示された。さらに、結核菌Pkn阻害活性を有することが知られている抗悪性腫瘍薬Mitoxantroneが、VBNC結核菌に対して殺菌的に作用することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Wag31-Dendra2発現結核菌株の作製にやや時間を要している。しかし、今年度は結核菌Ser/ThrキナーゼPkn阻害薬によるVBNC結核菌の殺菌実験系や、結核菌以外の抗酸菌のVBNC誘導・再活性化実験系を構築することが出来た。よって、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
Wag31-Dendra2発限結核菌株の作製と並行して、蛍光アミノ酸標識による分裂のON/OFFの可視化実験系の構築を検討している。 また、アルブミンの作用機序を明らかにするために、複数の動物種血清由来アルブミンによる再活性化促進効果の差異を解析し、そのアミノ酸配列情報から差異に寄与する部位を探索することを検討している。
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