研究課題/領域番号 |
21K15444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
高橋 佑介 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (70827146)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レジオネラ / ハチノスツヅリガ / 全ゲノム解析 / 強毒株 / 高病原性遺伝子 / 病原性遺伝子 / NGS / スピアマンの相関係数 / 致死活性 / 次世代シーケンサー / ランダムフォレストモデル / Galleria mellonella / 特徴重要度 / 病原性因子 / 生存曲線 / ハチノスズリガ |
研究開始時の研究の概要 |
レジオネラ症の発生件数や死者数に大幅な減少は見られておらず、重症化例を減らす対策が求められている。患者から起因菌が分離されるケースが少なく、重症化につながる病原体側の要因には謎が多いため、申請者は、高病原性を示すレジオネラの実態解明が重要だと考えた。高病原性を示す強毒株を選別するため、レジオネラ臨床株をハチノスツヅリガに接種し、感染後の致死率を算出する。次に、致死率が有意に高い、つまり、高病原性を示すレジオネラに共通して保有されている病原性遺伝子を調べる。さらに高病原性を示すレジオネラの病原性遺伝子の組換え体を作製し、他のモデル生物を使ってヒトでの細胞内増殖性や肺炎病態への影響を推定する。
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研究成果の概要 |
臨床分離株および環境分離株のハチノスツヅリガに対する毒性評価では、毒性の高い株と低い株は保有遺伝子の有無で描出した系統樹で同じcladeに分類される傾向にあり、近縁なLegionella pneumophila SG1はハチノスツヅリガに対して同程度の毒性を示すことが示唆された。例えばST138の5株は、毒性が普通か高い株として分離された。 高病原性遺伝子候補の探索では、強毒株で保有される高病原性遺伝子の候補遺伝子を探索したところ、タンパク質の機能が明らかな遺伝子には、L. pneumohilaが生存に優位に働く代謝酵素遺伝子が多く含まれていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レジオネラ症のヒトでの重症化について、これまで高齢化や喫煙など、宿主側の因子に焦点がおかれてきたが、病原体側の因子については十分には明らかになっていない。本研究でST138には強毒株が多い可能性が示唆された。引き続きデータを集積し、強毒株に多い遺伝子型が多く分離される施設の傾向を把握することで、有効な予防的措置の立案に貢献しうる。また、新規高病原性遺伝子の発見にもつながる成果となり、レジオネラ菌における細菌学研究の発展に寄与できる可能性が示された。
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