研究課題/領域番号 |
21K15446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
武田 洋平 帯広畜産大学, グローバルアグロメディシン研究センター, 准教授 (30804447)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 天然由来化合物 / ウイルス不活化 / 新型コロナウイルス / A型インフルエンザウイルス / ノロウイルス / SARS-CoV-2 / インフルエンザウイルス / 抗ウイルス対策 |
研究開始時の研究の概要 |
世界中で膨大な感染者・死亡者を出す新型コロナウイルスやA型インフルエンザウイルス、ノロウイルスに対する有効な感染制御対策の構築は喫緊の課題である。これまでの先行研究にて、複数の病原ウイルスに対し強い不活化活性を有する薬用植物由来エキスを複数見出している。本研究ではこれらエキスを更に細かく分けた分画液やそこから単離した化合物のウイルス不活化活性を評価し、活性中心化合物の同定や作用機序解析を行う。更に活性中心化合物の類縁化合物のウイルス不活化活性評価も行い、より強い活性を示す新規化合物を得る。本研究を通し複数の病原ウイルスに対し有効性を示す新規ウイルス不活化剤や抗ウイルス薬開発への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)、A型インフルエンザウイルス (IAV)、またヒトノロウイルス代替ウイルスである猫カリシウイルス及びマウスノロウイルスに対し不活化活性を示す天然由来成分としてユキノシタ(Saxifraga)属植物由来エキス、およびその活性中心化合物である縮合型タンニンを見出した。また、それらのウイルス不活化における作用機序を解析した結果、当該エキス及び縮合型タンニンがウイルス構造タンパク質と相互作用し、ウイルス粒子を凝集、破壊することが明らかとなった。なお、本研究成果は論文としてまとめ国際学術雑誌にて発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、SARS-CoV-2やIAVは世界的に蔓延しており、また毎年多くの人がノロウイルス感染症に罹患している。よってこれら病原ウイルスに対する感染制御策の強化は公衆衛生上の重要課題である。本研究で見出したSaxifraga属植物由来エキス及び縮合型タンニンは手指や環境表面の病原ウイルスの不活化に応用可能であり、皮膚傷害性や刺激性、環境汚染性等の問題により既存のウイルス不活化剤が適用できない状況下でも使用できる可能性がある。更には様々な素材への抗ウイルス活性の付与へも応用することが可能と考えられる。これらのことから、本研究で見出した抗ウイルスシーズは感染制御対策の拡充へ寄与することが期待される。
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