研究課題/領域番号 |
21K15458
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 医療法人さわらび会福祉村病院長寿医学研究所 |
研究代表者 |
中嶋 章悟 医療法人さわらび会福祉村病院長寿医学研究所, 長寿医学研究所, 研究員 (90895509)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | HBV / ポリメラーゼ / 酵素 / 非核酸系逆転写阻害剤 / 薬剤耐性変異 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)ポリメラーゼは、ウイルス性タンパク質のうち唯一酵素活性を有する魅力的な創薬標的である。申請者はすでに共同研究者とともに、DNA伸長活性を有するリコンビナントHBVポリメラーゼの精製に成功し、伸長活性を阻害する非核酸系逆転写阻害剤(NNRTI)を同定した。本研究ではこれまで得ている結果を活かし、HBVポリメラーゼとNNRTIの結合部位や耐性変異機構の解析といった関係解明を目指す。またNNRTIのさらなる探索を行い、基礎的知見から創薬シーズの開発という応用を見据えた研究を行う。
|
研究実績の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)ポリメラーゼは、ウイルス性タンパク質のうち唯一酵素活性を有する魅力的な創薬標的である。申請者はすでに共同研究者とともに、DNA伸長活性を有するリコンビナントHBVポリメラーゼの精製に成功し、伸長活性を阻害する非核酸系逆転写阻害剤(NNRTI)を同定した。本研究ではこれまで得ている結果を活かし、HBVポリメラーゼとNNRTIの結合部位や耐性変異機構の解析といった関係解明を目指している。 HBV同様に逆転写酵素を持つヒト免疫不全ウイルス(HIV)では多くのNNRTIが同定(ネビラピン、リルピピリン等)されており、また逆転写酵素との結合ポケットも立体構造から詳細な解析がなされている。これらHIVのNNRTIは共通しない構造をもっているが、1つの共通したポケットに結合することも明らかにされている。これら知見を踏まえHBVのNNRTI結合ポケットは、HIVと同様に共通した1つなのか、それとも化合物構造によって様々な結合ポケットが存在するかなどの関係解明に向けて、本年度は昨年度に続きHBVポリメラーゼの変異体解析を試みた。 すなわちHIVにおけるNNRTI結合部位に関与するアミノ酸は既に特定されていることから、HIV RTと同様の位置にあるHBV RTのアミノ酸を2個もしくは3個をアラニンに置換した多重変異体を作成した。これを細胞トランスフェクション実験系でHBV産生の複製効率を確認したところ、野生型に比較して著しい複製効率の低下を確認した。現在、単一での変異体を作成し、さらに複製効率とNNRTIに対する活性比較を行っている。 合わせて作成した変異体のアミノ酸が、HBV RT内でどのような機能を持っているかも検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定より遅れているため、本年度は期間延長申請を行った。しかしながら、既に様々な化合物構造を持つNNRTI候補を多数得ることに成功し、またHBVポリメラーゼの各種変異体解析を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は本テーマをさらに推進し、結果の論文化を目指す。
|