研究課題/領域番号 |
21K15469
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 恵理子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00779176)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ウイルス感染免疫 / 自然免疫記憶 / ILC2 / Trained immunity |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マクロファージや単球などの自然免疫細胞にも免疫記憶が存在し、同種のみでなく異種の病原体の排除機能を有している事が示された。しかし、自然リンパ球ILC2が自然免疫記憶を有するか不明である。そこで本研究では、インフルエンザ感染時におけるILC2の自然免疫記憶の獲得およびその機能解明を行う。さらに異種の2次感染モデルを用いてウイルス感染における重症化を制御する新たな免疫機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ウイルス感染におけるILC2の機能は、ウイルスの排除だけでなく感染後期における組織修復であるため、ILC2の免疫記憶は新たなウイルスに感染した際に迅速かつ強力に組織修復を促し、生体を防護すると予想される。そこで本研究では、自然免疫における免疫記憶について新しいリンパ球であるILC2に着目し、これまで不明であったウイルス感染における組織修復機構の記憶がどのように形成されるのかを明らかにする事を目的に検討を行った。 本年度は、ウイルス感染後のILC2の動態変化を解析するために、マウスにインフルエンザウイルスを経鼻投与にて感染させ、肺組織におけるILC2の細胞数をフローサイトメトリーにて解析した。その結果、ILC2は感染後緩やかに増加し、感染4週後には定常状態と同程度の細胞数であった。さらに感染4週後以降の肺のILC2におけるサイトカイン産生量を検討した結果、非感染マウスのILC2に比べてIL-5およびIL-13のサイトカイン産生が増強していた。さらに、非感染およびインフルエンザ感染マウスのILC2単離し、経鼻投与にてマウスに移入後ウイルス感染を行いILC2の機能の検討を行った。その結果、インフルエンザ感染マウスのILC2を移入したマウスでは体重減少を抑制していた。しかし、ウイルス量は非感染マウスのILC2を移入した個体と同程度であった。以上の結果より、インフルエンザ感染した個体におけるILC2は2型サイトカイン産生が増強され、ウイルス感染による病態の悪化を抑制する事が示唆された。
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