研究課題/領域番号 |
21K15471
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神尾 敬子 九州大学, 大学病院, 助教 (50813771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抗ウイルス薬 / 喘息・慢性閉塞性肺疾患増悪抑制薬 / PI3Kδ阻害剤 / 自然免疫と獲得免疫のクロストーク / PI3キナーゼdelta / ヒトメタニューモウイルス / インターフェロン / 共刺激分子 / PI3キナーゼデルタ / PD-L1 |
研究開始時の研究の概要 |
呼吸器系ウイルスが細胞内で増殖する際に、抗ウイルス免疫応答(インターフェロン産生)や、獲得免疫を弱める免疫チェックポイント分子PD-L1(programmed death 1 ligand 1)の発現が誘導されます。私たちの研究室は、人体への安全性が高いPI3K(phosphoinositide 3-kinase) δ阻害剤が気道上皮のインターフェロン産生を亢進しかつPD-L1発現誘導を抑制することで、抗ウイルス作用を発揮する可能性を最近報告しました。本研究ではマウス肺のex vivo培養によりPI3Kδ阻害剤の抗ウイルス効果を検証し、汎用性が高く副作用の少ない抗ウイルス薬の開発を目指します。
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研究成果の概要 |
患者より採取した気道上皮細胞を用いて、PI3Kδ阻害剤によるヒトメタニューモウイルス感染時の共抑制分子PD-L1とPD-L2の発現増強に対する作用を検討することで、気道ウイルス感染時にはPI3Kδを介した自然免疫と獲得免疫のクロストークがあり、PI3Kδ阻害剤は自然免疫・獲得免疫両面からウイルスの排除に対し促進的に作用する可能性があることを報告した(Ogawa and Kan-o et al. Front Immunol.)。 またマウス肺PCLS (precision-cut lung slices)ヘのヒトメタニューモウイルス感染モデルを作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喘息や慢性閉塞性肺疾患増悪の主原因は、気道へのウイルス感染である。増悪は病態の進行や、呼吸機能の低下を引き起こし患者のQOLを大きく損なうことから、増悪の予防・抑制は重要な管理目標である。 実臨床で使用される吸入ステロイドは、増悪抑制効果がある一方で、感染症の悪化が懸念される。吸入PI3Kδ阻害剤はヒトへの投与により安全性がすでに報告されている。本研究結果から、PI3Kδ阻害剤は多種の気道ウイルス感染症を予防し、喘息やCOPD増悪を抑制するこことで、患者の将来リスクを低減する可能性がある。
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