研究課題/領域番号 |
21K15474
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
住吉 麻実 関西医科大学, 医学部, 助教 (50779402)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | T細胞 / 細胞死 / Arf / 自己免疫疾患 / 感染応答 / アポトーシス / ADP ribosylation factor / 小胞輸送 / mTORC1 / ADP-ribosylation factor |
研究開始時の研究の概要 |
小胞輸送制御因子Arfファミリーに属するArf1とArf6は、局在や結合因子の違いから別々の輸送経路に働くと考えられてきた。T細胞におけるArf経路の機能解明に取り組んだ結果、TCR刺激を受けたArf1/6欠損CD4+T細胞は野生型T細胞に比べてBcl-2ファミリーの発現変動が原因で細胞死が誘導されることを見出した。一方、Arf1やArf6の単独欠損ではT細胞の生存に異常は認められず、Arf1とArf6がT細胞の生存維持機構において重複した機能を担うことが示唆された。本研究では、Arf1/6欠損T細胞で誘導される細胞死の原因究明を目指すと共に、Arf1/6の機能重複機構の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
Arf1/Arf6二重欠損CD4+T細胞(Arf-KO細胞)の、TCR刺激に伴う細胞死の原因解明に取り組んだ。ナイーブArf-KO T細胞の代謝はコントロールと差がない一方で、活性化Arf-KO T細胞では酸化的リン酸化が亢進していた。ラパマイシンによりArf-KO細胞の細胞死が抑制されたことから、代謝バランスの異常が細胞死の原因であると示唆された。IL-21の存在下ではArf-KO細胞の生存が維持されており、実際Th1型・Th2型それぞれの免疫誘導時のリンパ節におけるTfhの生存は維持されていた。さらに感染実験から、Arf-KOマウスはある程度の生体防御能を有していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Arf1・Arf6が全ての状態のT細胞ではなく、活性化T細胞特異的に生存維持に働くこと、その背景に代謝リプログラミングの異常があることを明らかにした点に高い学術的意義がある。既に、T細胞特異的なArf1・Arf6の二重欠損は、自己免疫疾患をほぼ完全に抑制することを報告している。一方で、Th1やTh2を介した感染応答は、Arf1・Arf6を欠損してもある程度維持されていることを本研究で見出した。以上の知見は、Arf1・Arf6が制御する活性化T細胞の生存維持機構を標的とすることで、生体防御の維持と自己免疫疾患の抑制を両立する新たな治療法開発に繋がる可能性を強く示唆し、社会的意義がある。
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